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特殊陸戦部隊長の平凡な日々
第17話:新体制の幕開けー5
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たはやてが立っていた。

「はやてか。 ずいぶん早かったな」

ゲオルグが声をかけると、はやては苦笑を浮かべて肩をすくめた。

「ゲオルグくんがメディア対策の手を抜いたせいで、えらい面倒なことになっとるから
 慌てて来たんよ」

「はいはい。 それはすいませんね」

来て早々に冗談を言うはやてに、同じく冗談で返すゲオルグ。
周りで見ていた彼らをよく知る人々は苦笑を、あまり知らない人々は
引きつった表情を浮かべていた。

「で、どうなん?」

「銀行内部は調査してかまわない。
 ただ、最上階は安全確認中だから担当者に指示を仰いでくれ。
 えっと、誰に聞くのがいいかな、ランスター分隊長?」

「うちのマイラー曹長に指揮を任せてますので、彼女に聞いてください」

ティアナがはやてに向かって告げる。

「了解。 ほんなら、鑑識作業から始めてや」

はやてが指示を出し、捜査部の面々は動き出した。
その時、もう一度裏口に車が止まる。

待っていたクロノが手配した車が到着したかと思ったゲオルグは
また裏口に向かって歩き出す。
だが、甲高い足音とともに一人の女性がゲオルグ達の間に現れた。
その顔を見たゲオルグとシンクレア、そしてはやては、驚きで真円になったのではないかと
思うほどに目を見開いていた。

「ご無沙汰ね、ゲオルグ」

「なんでお前がここにいるんだよ、アリエル」

驚いている3人とは対照的に、ほかの人間は誰なのかわからないようで
互いに顔を見合わせて首をかしげていた。

「誰なんですか? クロス3佐」

「あの人はアリエル・ホーナー3佐。 情報部の人だね」

ティアナが小声で尋ねると、シンクレアはゲオルグの様子を伺いながらこちらも小声で
アリエルの名前をティアナに伝えた。
そんな彼らのやり取りを横目で見ながら、アリエルはゲオルグに近づいていく。

「シュミット1佐。 彼らの身柄は情報部で預からせていただきます」

「はあ? テロ事件に関しては特殊陸戦部隊に初動捜査権限があるはずだ」

「そんなことは知ったことではないわ。 私たちは正式な手続きを経て、
 彼らの身柄を抑える許可を得ています」

アリエルは制服の懐から一枚の紙を取り出して、ゲオルグに差し出した。
ゲオルグはそれをひったくるように受け取ると、中身に目を通す。
途中でサッと表情が変わった。

「どこが安全保障にかかわる緊急事態だよ」

「それをあなたに話す必要はないでしょ。 情報部ではそのように考えていて、
 司法府と立法府が私たちの説明に納得した。 それだけよ」

冷たい目線を向け、突き放すような口調でアリエルは言う。

「私たちの妨害をするのであれば、それなりの処分
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