ターン37 白面金毛の悲願
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すと笑い、吹き荒れる風の中で改めて巴と向かい合う。
「アンタが破壊した1枚、アタシがずっと伏せてたカード。ちょいとばかし古いのは否めないが、それでもしっかり仕事はできるもんだ。ただやっぱ駄目だな、こういうのはアタシの性に合いそうにない」
言いながら、その1枚をゆっくりと引き出して表を向ける。少し自嘲気味に、笑いかけた。
「だから、やっぱり最初で最後だ。有難く思って目に焼き付けとけよ?これぐらいの奇策じゃないと、通用しないと思ったんだからな」
「その……カードは……!」
「コザッキーの自爆装置。このカードが破壊された時、破壊したプレイヤーに1000のダメージを与える」
アンデットワールドの中央で、何かが臨界点を越えた。無音の中で炎が弾け、1瞬遅れて天地を揺さぶるような轟音が響く。
「アンタは、『読み』ならアタシの上を行ってたさ。だがな、『読み合い』なら……アタシの勝ちだ」
清々する、というよりはむしろ悲しげな声が静かに響く。
「結局、アンタでも駄目なんだな。どうやらアタシは、まだまだ戦い続けなきゃ許してもらえないらしい」
巴 LP500→0
「糸巻さ……うおっ!」
誰かが何かを叫んだかもしれないが、それは誰の耳にも届かなかった。コザッキーの自爆装置1枚にしては明らかにオーバーなこの大爆発が、鳥居がこのプラントを爆破するため隠し持ってきた大量のカードが一斉に連鎖反応を起こして実体化したものであることは、誰も知らない。
この場にいた全員の視界は、そして聴覚は、すべて白い炎によって埋め尽くされた。
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