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おっちょこちょいのかよちゃん
115 千葉に来たハーフ少女
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ら二人共あの爆発に巻き込まれてお陀仏であったろう。
「一体、何なの・・・?」
 その時、謎の太った女性がその場に立った。
「去れ!悪しき者よ!」
 女性はそう言うと、爆発が止んだ。更にまた別の声が聞こえる。
「チッ、平和の世界の人間か・・・!!」
 男の声だった。
「そこの者、大丈夫であったか?」
「はい・・・、あ、貴女は、一体・・・?」
「そうだな。ブランデー・ナンとでも呼んでくれ。そこのお嬢、見聞の能力(ちから)を持っておるな?」
「ケンブンノチカラ?何それ?」
「たった今、お前さんは己の所に攻撃が来ると予知して爆発から避けたであろう。それこそまさに見聞の能力(ちから)なのだ」
「はあ・・・」
「今、この世界に歪みが生じている。私はその歪みを元に戻す為に活動しているのだ。お主にこれを授けよう」
 ブランデー・ナンがマリエルに渡したものは本だった。
「これは本?」
「お前さんはイングランドの血が流れておるだろう。祖国は四つの国が合わさったものである事を知っておるな?」
「ああ、イングランドの他に、スコットランド、ウェールズ、そして北アイルランドね」
 実際、日本で使用される「イギリス」とか「英国」とかいう呼称は現地では通用しない。英語での正式名称は「ユナイテッド・キングダム・オブ・グレート・ブリテン・アンド・ノーザン・アイルランド」、縮めて「UK」と呼ばれるのが一般的である。マリエルはその中でイングランド地区のマンチェスター出身なのだ。
「それはその四つの国の伝承が込められた魔導書だ。これを使えばお前さんは戦える」
「本当に?」
「そうだ。伝承を実体化させる事ができるのだ。ただし、私利私欲に使ってはならないぞ。では」
 ブランデー・ナンはスッと消えた。
「マリエル、その本、どうすんだ?」
「まあ、帰ったら読んでみるわ」

 マリエルは家に帰ると早速その魔導書を呼んだ。文字はこの世の字とは思えないものだが、彼女にはなぜか読めた。「ウィッティントンと猫」だの「ジャックと豆の木」だのよく知っているような童謡や人魚や幽霊の話もあった。そして自分もよく知るマザー・グースの話もある。
(こんなの本当に現実になるのかしらね・・・?)
 マリエルにはまだ半信半疑だった。

 そして別の日、家を出る際にマリエルは念のためにその魔導書を鞄に仕込んでおいた。そして感じた。またあの爆発が訪れそうな予感が・・・。
(これが、あのブランデー・ナンが言っていた「見聞の能力(ちから)」・・・?)
 そして登校中、電車に乗ろうとして駅に着いた所、後ろで爆音が聞こえた。多くの人が吹き飛ばされている。
(で、出た・・・!!)
 マリエルはその爆発の原因となる人間を目にする事になった。
(あの男が犯人ね・・・!!)
 マリエ
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