115 千葉に来たハーフ少女
[1/3]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
かよ子の父は新聞の夕刊を読んでいると、かよ子をその場に呼んだ。
「かよ子、新聞に藤木君の事が載ってるよ」
「ええ!?」
かよ子は父に新聞を見せて貰った。見出しは「清水市の小学三年生男子、行方不明」とあった。
「やっぱり藤木君だ・・・!!」
かよ子は新聞を読む。
【24日夕方頃、静岡県清水市内に住む小学三年生・藤木茂君(9)が行方不明になった。両親は共働きであり、父・守さんと母・まさえさんが仕事から帰った時、息子の姿がおらず、茂君クラスメイトの家に電話をしたものの、どこの家にも遊びに行ったという連絡はなかったという。静岡県警も最近起きている異世界から来たと名乗る者の襲撃および日本赤軍との関連性も併せて捜索をしている。】
(藤木君・・・。やっぱり、あの時、笹山さんから嫌われたのを気にしていなくなったんだ・・・)
かよ子は卑怯とはいえクラスメイトの一人がいなくなると少し寂しく感じるのであった。
千葉県に一人の女子がいた。彼女の名は花沢咲菜・マリエル。変わった名前に聞こえるが実は彼女は日本出身ではない。元はイギリスに住んでおり、10才の頃に父の仕事の関係で日本に来たのである。父は日本人だが、母はイギリス人である。その為、来日当初は日本語は片言ではあり、イギリスと日本のカルチャーショックを受けたりとしたものだが、今はそのような事はなく、日本の生活に慣れており、友達などからは「マリエル」と呼ばれている。高校生になってから好きな男子もできた。ところが高校二年生になったある時、地震のような現象が起きた。
(な、何、これ・・・!?)
マリエルは日本は地震が多いと聞く。大正時代に起きた関東大震災では多くの命が失われたとも聞いた事がある。だが、その時、「バン!」と爆発する音がした。
「わ、What!?」
マリエルは見回す。住宅の一角が爆破されている。
(あそこは・・・!!)
マリエルは向かった。あの方角には自分の好きな男子の家がある。爆破に巻き込まれた人々が数名いた。
「ひ、久水君・・・!!」
久水蓮次郎。マリエルが片思いしているクラスメイトの男子であった。彼は爆発に巻き込まれて崩れた塀から何とか避けたところだった。
「ま、マリエルじゃねえか・・・」
「大丈夫なの?」
「あ、ああ・・・。何とか避けられた」
その時、また別の爆発がした。マリエルと久水のいる付近の電柱が倒れる。マリエルは久水の手を引っ張って電柱から避けた。
「誰が暴れてんのよ!?」
マリエルは見渡す。と、その時、後ろから攻撃が来るような感触を覚えた。
「久水君、逃げて!」
「おい!」
マリエルは更に違う方向へと走った。また爆発が来た。もし今の予知夢のような感触がなかった
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ