114 独りぼっちの女の子
[1/4]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
杉山の家にも藤木が行方不明という電話が来ていた。
(藤木の奴が行方不明だなんて・・・)
杉山は急に家を出た。そして向かうはあのおっちょこちょいの女子の家だった。
「こんにちは」
「あら、杉山君、かよ子に用?」
「はい」
「今、呼ぶわね」
かよ子の母は娘を呼んだ。
「す、杉山君・・・!!どうしたの!?」
「お前の家にも藤木がいなくなったって電話が来たのか気になってな。俺にも来たんだよ」
「うん、でも赤軍や異世界の敵なのか、単なる家出かまだわからないよ」
「ああ、でも、もし敵達だったら、かなりやべえ事になるかもって思うんだ」
「うん、私も杖は渡さない、渡せないよ!」
「ああ、俺も石松から貰ったこの石でぶっ倒してやるよ」
「うん!」
「じゃあな、いい年をな・・・」
「うん、よいお年を・・・」
杉山は帰って行った。
神奈川県横浜市。そこに一人の女の子がいた。女の子は鳥橋のり子という。のり子は独りぼっちだった。弟が生まれても、その弟を邪魔のように思っていた。邪険に扱えば自分が親に怒られる。学校にも居場所がない。友達ができてもその子は他の友達と遊んでしまう。のり子はその友達の輪に入ろうとはせず、誘われても断った。そしてその友達を恨んで急に吹き飛ばして怪我をさせた事があった。その為どこでも孤立を続けていた。
(あのももこちゃんとは、もう会えないのかな・・・)
のり子は幼稚園児の頃、母の出産の関係で静岡県の清水市にあった小鳥屋を営む祖母の家に預けられた事がある。そしてその小鳥屋に遊びに来ていたももこという女の子と友達になれた。にもかかわらず父親によってまた横浜に戻された。あれ以来、祖母は暫くして小鳥屋を廃業して横浜に来た為、あれ以来一度も清水には行っていない。
(私は一人なんだ・・・。もう、友達なんて要らない・・・)
のり子はいつしか孤独を望んでいた。そして清水のももこから貰った人形だけが話し相手だった。
(私が信じられるのはこの子だけ・・・)
のり子はその人形に清水で友達になった女の子の名前を付けた。
そんなある時、弟が自分の人形を勝手に見ている様を見て怒った。
「私のももこに何してるの!」
のり子は弟に詰め寄った。そして平手打ちで弟を壁に頭をぶつけさせて泣かした。
「のり子、やりすぎよ!暴力ふるうなんて!」
のり子は母に叱られた。
「私、何も悪くないもん!私のももこにいたずらしようとしてたのが悪いんだもん!」
「手を出したのはのり子でしょ!謝りなさい!」
「嫌だ!のり子は悪くないもん!!」
のり子はその場から逃げ出した。
(ママも、パパも、あんな弟も、皆、嫌い・・・!!)
のり子はそう思い、泣いた。
小学三年生になったある時、下校中に地震のような衝撃
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ