暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
無印編
第65話:幕引きの時
[6/6]
[8]
前話
[9]
前
最初
[1]
後書き
[2]
次話
道を踏み外した結果、際限なく無関係な誰かに災厄を振り撒き罪を重ねる位なら、ここで引導を渡してやるのが慈悲と言うものだ。
言い訳に聞こえるかもしれない。命を奪う行為を正当化しようとしているように聞こえるかもしれない。だがここで出来る事をやらずに被害が増えるようなことになれば、それは一生消えない後悔として残る。
だから、やるのだ。きっと透も同じ気持ちだろう。
〈チョーイイネ! スペシャル! サイコー!〉
颯人が右手をハンドオーサーに翳すと、彼の背後に魔法陣が現れそこから炎で出来たドラゴンが飛び出る。ドラゴンは彼の周囲を旋回し、再び背後から魔法陣に飛び込んだ。
すると、ドラゴンの頭が魔法陣どころか颯人の体を突き抜けて彼の胸に頭を出した。だが颯人に苦しんでいる様子はない。
それと時を同じくして、透が構える剣の放つ輝きが最高潮に達した。
その瞬間、2人は示し合わせたように同時に攻撃を繰り出した。
颯人は胸のドラゴンの首から高熱のブレスを。
透はその剣から、翼の技『蒼ノ一閃』と見紛う様な一撃を。
2人の攻撃がヒュドラファントムに迫る。ヒュドラファントムはそれを迎撃しようと響に向けていた火球を放つが、2人の攻撃はその火球を一瞬の拮抗の後打ち破った。
「ッ!?」
火球を打ち破った2人の攻撃はそのままヒュドラファントムを飲み込み、ヒュドラファントムは体を全て焼き尽くされた。
「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁっ!?」
「……ここがお前の幕引きだ、ヒュドラ」
颯人がせめてもの弔いの言葉を投げかけ、ヒュドラファントムは燃え尽き消滅した。
時を同じくして、仲間と友の言葉で正気を取り戻した響が振り下ろしたデュランダルが巨大な蛇と一体化したフィーネを打倒した。
「この身、砕けてなるものかぁぁぁぁッ!?」
断末魔にも等しいフィーネの叫びを響かせながら、赤黒い大蛇はその身を崩壊させていく。
その様子を、離れた所からワイズマンが眺めていた。彼の近くにはメデューサが控えている。
「……ふん。フィーネもこんなものか。つまらん奴だ」
「ミスター・ワイズマン。いかがいたしますか?」
「言った筈だ、今日はもう帰る。どの道、我らが起つのはもう少し後だ」
「御望みのままに」
メデューサが傅くと、ワイズマンは右手にテレポート・ウィザードリングをつける。そしてハンドオーサーに翳す直前、颯人と奏を一瞥してから改めて右手をハンドオーサーに翳した。
〈テレポート、ナーウ〉
ワイズマンはメデューサと共に決戦の場から姿を消した。
颯人達は勿論、ウィズすらその事に気付く事は無かったのだった。
[8]
前話
[9]
前
最初
[1]
後書き
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ