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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
無印編
第65話:幕引きの時
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その衝撃でフィーネの手からデュランダルが離れ宙を舞った。
「よっしゃ!」
「響、行ったぞ!」
「そいつが切り札だ!」
宙を舞うデュランダルが響に向け飛んで行く。それを奪われまいとフィーネが手を伸ばして何かをしようとするが、颯人がそれを許さない。
「悪いがそいつは没収だ!」
「ちょっせぇっ!」
颯人のウィザーソードガンの銃撃がフィーネの行動を阻み、クリスのハンドガンに変形させたアームドギアがデュランダルの軌道を調整し響の元へと届ける。
もう十分だ。これ以上ここに居てはこれから響がやる事に巻き込まれる。颯人と透は転移魔法で蛇竜の外殻内部から脱出した。
同時に響がデュランダルを手に取った。
瞬間、響の瞳が赤く染まり純白のエクスドライブのギアが黒一色に染まる。
「ぐ、うウウウ、ウウウウウウウウ!?」
またしても現れた暴走の兆候に、颯人が仮面の奥で険しい表情をする。
その時周囲を警戒していた透が、ヒュドラファントムの姿を捉えた。あの爆発でヒュドラファントムもはじき出されたらしい。
問題はそのヒュドラファントムが、今正に響に向けて特大の火球を放とうとしている事だった。
「おおぉぉぉぉぉぉっ!!」
満身創痍にされた怒りを、無防備に叫んでいる響にぶつけようとしているのだ。もしくは地獄への道連れにでもしようとしているのか。
残った中央の頭の前に、頭の大きさを優に超える程の大きさの火球が集束していく。
させじと颯人と透は互いに顔を見合わせ頷き合うと、響の事を奏達に任せてヒュドラファントムへの対処に回る。
響には奏達や、地上の彼女の友人たちが必死に声を掛けて正気に戻そうとしている。
ならばそれを邪魔させる訳にはいかない。
正直な話、元々は人間だったヒュドラファントムにトドメを刺す事に躊躇いは無いかと言われると、全く無いとは言い切れない。しかし、もうヒュドラファントムが人間性を無くしているのは誰の目にも明らかだった。
今なら分かる。ウィズが倒したメイジの魔力を封印させたのは、厄介なファントムを生み出す事を防止すると同時に、命を奪うと言う事を避ける為でもあったのだ。
ファントムとなった瞬間、元の人間としての部分は消え去る。それは先程見て実感した事だ。だが、元は人間であり一つの命だったもの。これからやる事は、命を奪う行為に他ならない。
しかし──────
「……止めてやるよ、俺達がな」
助けるのは他ならぬヒュドラ自身。彼がどんな経緯でジェネシスに与する事になったのかは分からないが、洗脳されたにせよ何か理由があったにせよ、根っからの悪人ではなかった筈だ。きっと自ら与したとしても、そうするだけの何かがあったのだろう。
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