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少年は勇者達の未来の為に。
鷲尾須美は勇者である 再臨の章
第六話
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役目の最中なのだ、そんな浮わついたことは二の次三の次にするべきだろう。

真面目な須美はそう考えつつも、どうにも蓮の顔が頭から離れない。困っているときはすぐに助けてくれる彼の笑顔。けれどお役目となると笑顔が消え、真剣な表情になり、私たちと一緒に戦ってくれる彼の姿。
顔が段々と熱くなってきていることを自覚しつつ、銀から背を向ける。

「むぅ・・・園子は?」

「私はね〜、ちゃんと居るよ〜」

「えっ? マジ?」

「そのっち本当? 誰? どこの人?」

「れー君と〜、わっしーと〜、ミノさんだよ〜♪」

「「・・・そうだと思った(わ)」」

ニコニコしながら答える園子の答えにツッコミを入れる銀と須美。予想できた答えだった。


「次!蓮!」

「僕かぁ・・・強いて言うなら僕ものこちゃんと一緒かなぁ・・・」

「蓮もかい!」

「おぉ〜、てことは私とれー君。両想いなんよ〜」

「ちょっとそのっち!?それなら私だって・・・」

ツッコむ銀と園子を問い詰めようとする須美、すると

「いい加減寝なさい!明日起きられないわよ!」

鬼が部屋に突入してきた。
 

 

 

 

 


恋バナが終わって数十分程経っただろうか。謎の寝苦しさから目が覚める。窓の隙間から入る月光で部屋の内装を確認できるぐらいになっている。

(何か熱いな・・・)

左を向くと、のこちゃんが腕に抱きついて居た。

(通りで・・・)

「・・・すぅ」

右からも銀ちゃんの寝息が聞こえる。どうやらのこちゃんと一緒で布団に潜り込んできたらしい。

(・・・・・異性の布団に潜り込んでくるのはいかがなものかと思うよ僕は)

そんな事を思いながら、僕は起きてしまった頭で昼の訓練を思い出す。

あの時銀ちゃんに張られたもの・・・あれは間違いなく(シールド)アーツだった。あれから推察できることはただ一つ。

(思えば・・・皆にも出来るのか・・・?)

離れた味方にアーツを付与する・・・それが出来ればかなり心強い。
問題は耐久性と持続性だが、それはこの合宿で確認しよう。

(その為にも・・・早く寝ないと、ね。)

こうして僕は両手に花状態のまま、再度眠りについた。





翌日、蓮に抱き着きながら眠る二人の姿を見た須美が彼女達に朝からお説教をする姿が見られるのだった。
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