暁 〜小説投稿サイト〜
少年は勇者達の未来の為に。
鷲尾須美は勇者である 再臨の章
第三話
[2/6]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
いた。白鳥家では野菜も美味しいのだが、蕎麦も格別だった。先祖代々の畑で実から作っている物なのだとか。

「ふう・・・さて、学校に行こうかな」

一段落着いた蓮は学校に行く準備を進めていた。その時

「蓮君!良かった、いた!」

「唯香さん?」

唯香が慌てて部屋に入って来た。ただならぬ様子だ。

「ハァハァ・・・知らせよ。今日か明日、お役目が始まるらしいわ」

「・・・!」

遂に、だった。

「蓮君、お役目が始まったら我が家での訓練を一時中断します。理由は他の勇者と足並みを合わせるためよ。」

「まぁ僕だけで戦うわけじゃありませんからね・・・」

お役目の敵ーーーバーテックスとは自分一人で戦うわけでは無い。恐らく同じクラスの三ノ輪さん、のこちゃん、鷲尾さん、そして僕の四人で戦う事になる。

「・・・そっか・・・遂に・・・」

一人では無い。それだけでも蓮はかなり安心していた。
しかし、いくら覚悟が出来ていても、一歩間違えれば『死ぬ』お役目が始まる。
蓮は身体の震えを止める事が出来なかった。
その時、ふいに唯香から抱きしめられた。

「・・・?」

「そしてこれは私からのお願い・・・無事に、生きて帰って来て・・・!」

唯香は泣いていた。こんな小さな子に、世界の運命を任せてしまう事。何故自分は戦えないのか。自分の不甲斐なさに、そして申し訳なさに涙を流していた。

「大丈夫です・・・皆と一緒に帰ってきます」

「うん・・・うん・・・!」

「・・・じゃあ、行ってきます」

「グスッ、行ってらっしゃい!蓮君!」

蓮は唯香に必ず帰って来る旨を伝え、学校に向かう。
唯香もいつもの笑顔で蓮を送り出す。

僕は幸せ者だ、僕の為に泣いてくれる人がいる。僕の無事を願ってくれる人がいる。
絶対に生きて帰るんだ。誰も、死なせない・・・!










登校中、鷲尾須美は考えていた。
この世界の事を、そして聖剣の事を。

(私達は神樹様と聖剣のお陰で今まで生きてこれた)

神樹様は私達に恵みを与えてくれ、バーテックスから人類を守ってくれているご神木。聖剣はその神樹様と共に人類を守ってくれていた。そして大赦は神樹様と聖剣を守る為に生まれた組織。お役目とはバーテックスから神樹様を守る為のもの。
神樹様が殺されると、私達人類も死に絶える。故にお役目に失敗は許されず、常在戦場の気持ちでいなければならない。

(そのはず、なんだけどなぁ・・・)

教室に入ってまず、目に入るのが教室の中央辺りに居る、机に頭を置いて寝る金糸の髪の少女と、机の主である黄色の髪をした少年が彼女の頭を撫でながら灰色の髪の少女と談笑していた。
あの三人は六年生になった
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ