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Fate/WizarDragonknight
あたしってほんとバカ
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返事がなかった。無表情のまま、彼女は恭介だったバラアマゾンを見つめる。

「恭介……恭介……恭介! 嘘……嘘だ嘘だ嘘だ!」

 ウィザードとバラアマゾンの戦いに、魔女陣営も乱入してくる。無数の綿の怪物たちと、上空からヒットアンドアウェイを狙うバラの魔女。

「うわああああああああああああ!」
『フレイム スラッシュストライク』

 さやかの悲鳴。ソードガンの詠唱。それらは全て、バラたちに塗り潰されていく。
 周りの怪物たちを一気に焼き払い、ウィザードはさやかを守るように背にした。二種類のバラの怪人たちも、炎には弱いのか、一定の距離を持っている。

「大丈夫だから。だから、しっかりして」
「病院の水が原因なんだから……恭介が感染していないわけがなかったんだ……」

 だが、さやかはウィザードの言葉を聞き入れていない。近くの綿たちを切り刻むバラアマゾンを見つめながら、ぶつぶつと言葉を繰り返している。

「さやかちゃん? ……うおっ!」

 綿の怪物たちに押され、ウィザードはさやかから離れてしまう。さらに、バラアマゾンまでもがこちらに攻めてきた。
 それぞれに対応しながらも、ウィザードの耳にはさやかの小声が響いていた。

「ようやく腕が治ったと思った……でも、それって、恭介が治ったんじゃなかったんだ……アマゾンになったからだったんだ……」

 そして、次の言葉は、まるで無音のように、ウィザードの耳にはっきりと残った。

「そんな希望なんて……持っちゃいけなかったんだ」

 バキ。
 その音にぞっとして、ウィザードはさやかを振り向いた。
 体制の変わらないさやか。だが、大きな変化が彼女に現れていた。
 彼女の白い頬に、紫のヒビが走っていた。

「だめだ……ダメだダメだダメだ!」

 ウィザードは急いで彼女のもとへ駆けつけようとする。だが、今度はバラアマゾンに勝負を挑まれる。その攻撃を防御しているときも、さやかに走るヒビはどんどん増していく。

「どいてくれ!」

 だが、ウィザードの訴えにアマゾンは耳を貸さない。首のみを狙う彼に、ウィザードは防戦一方になる。

「そんなことにも気付かないで、バカみたいに来て……」
「さやかちゃん! しっかりして! ……邪魔だっ!」
『ビッグ プリーズ』

 バラアマゾンを、ウィザードは巨大な手で白綿の怪物たちへ放る。
 手のひらにバラの怪物のぬめぬめとした感覚を覚えながら、ウィザードはさやかへ急ぐ。

「さやかちゃん!」

 手を伸ばすウィザードへ振り向いたさやかは、涙をながしながら___そして、ヒビはすでに、全身に行き渡っていた___静かに告げた。

「あたしって……ほんとバカ……」

 その時。
 美樹さやかという人間は
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