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レーヴァティン
第百八十六話 川を使いその四

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「グラビアもやろ」
「お肌見せるっていうんだな」
「歌や踊りのステージ衣装でもやろ」
「普通にミニスカートとかだな」
「腋とか鎖骨も丸出しだな」
「それでグラビアは」
 こちらの仕事はというのだ、グラビアにならないアイドルは流石に一人も存在しないと言っていいだろう。
「水着に下着やろ」
「下着もか」
「というか水着と下着の区別は何や」
「それはな」
「ほぼないやろ」
 美奈代はこの現実を指摘した。
「そやろ」
「現実はそうだよな」
「ビキニの水着はそのままや」
 グラビアや動画の仕事で着るそれはというのだ。
「下着や」
「ほぼ区別ないってか」
「それで下着のグラビアも多いやろ」
「水着でなくてな」
「水着がええなら」
 露出は変わらないからだというのだ。
「もう下着もや」
「いいか」
「そやからアイドルになったらな」
 それならというのだ。
「お肌の露出はお仕事や」
「当然のことか」
「それが嫌やったら」
「最初からなれないか」
「もっと言えば男の子はグラビア何の為に使う」
 美奈代はさらに踏み込んだ。
「ダイレクトに聞くが」
「それは言うまでもないだろ」
 久志ははっきり言わず返した。
「もうな」
「そやろ、そういうことに使われるな」
「もうな」
「アイドルの娘もそれはわかってる」
「撮られる方もか」
「もっと言えば自分が脳内でどう想像されてるか」
 グラビアを観る男子達にというのだ。
「もうや」
「最初からわかってるか」
「そのうえでアイドルになってるからな」
「アイドルの娘は露出多くてもいいか」
「そや、けどや」
「普通の仕事はか」
「そんなん不要や」
 美奈代は言い切った。
「もうな」
「お色気に頼らずか」
「ちゃんと商才でやるべきや」
「そういうことか」
「そや」
 まさにというのだ。
「女の子にエロい恰好させんでな」
「それでお前風俗はか」
「進出してへんかったやろ」
「そうだよな」
「今も店は持ってるけどな」 
 店の者達に任せているのだ。
「それでもな」
「お色気に訴えずに」
「ちゃんとした接客と商品の質でな」
「やってるんだな」
「そや」
 まさにというのだ。
「お色気は確かに大きいけどな」
「それはあえてか」
「せんでな」 
 そしてというのだ。
「やってくわ」
「真面目な考えだな」
「意外か?」
「いや、そうは言わないけれどな」 
 それでもとだ、久志は美奈代に答えた。
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