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戦国異伝供書
第百十九話 悪人達の絵その十一

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「思う存分敵の首を取るのじゃ」
「はい、それでは」
「これよりですな」
「攻めていきまする」
「その様にするぞ」
 こう言ってだった。
 彼もまた自ら鉄砲を撃ちそして切り込んだ、伏兵に左右から襲われ後ろから彼等に襲われた伊東家の軍勢は総崩れになった。
 伊東家の軍勢は多勢を活かせず倒されていく、そしてだった。
 義久が歳久と共に率いる軍勢も加わってだった、島津家の軍勢は総攻撃に入った、義久もまた刀を抜き采配を振るっていた。
「よいか、このままな」
「敵を攻め」
「そうしてですな」
「ここで散々に打ち破りますな」
「そうせよ、ここで伊東家を徹底的に打ち据え」
 そうしてというのだ。
「力を削ぐぞ」
「そしてですな」
 歳久も刀を抜いている、既にその刀は血に濡れている。
「その後で」
「伊東家は日向におる」
「だからですな」
「その日向を我等の手に戻すのに邪魔じゃ」
 だからだというのだ。
「ここはじゃ」
「伊東家の軍勢を徹底的に破る」
「そしてじゃ」
 そのうえでというのだ。
「次の戦につなげるぞ」
「さすれば」
「伊東家をここで打ちのめすのじゃ」
 こう言ってだった。
 義久は自ら刀を抜いて戦い伊東家の軍勢を散々に破った、伊東家の軍勢は多くの者を失い何とか戦の場から逃げていった。
 だが戦場に倒れている者は伊東家の軍勢だけで残っている者は島津家の者達だけだった、それでだ。
 義久は早速首実検に入ったがそこにある首を見て言った。
「これはな」
「はい、伊東家の主な将帥が揃った」
「凄いものですな」
「また凄いお歴々を討ち取りましたな」
「全くじゃ」
 弟達にも述べた。
「これは」
「左様ですな」
「まさに伊東家の方々といい」
「名のある者だけでもどれだけいるか」
「大将だけで五人じゃ」
 伊東家のその家の者達の首を見てだ、義久は言った。
「そうじゃな」
「加賀守殿に新次郎殿」
「又次郎殿に修理亮殿と」
「五人もおられ」
「名のある武者でどれだけおるか」
 義久はあらためて考えた。
「百人は普通におるな」
「百六十人はいます」
 ある家臣が言ってきた。
「これは」
「伊東家の中でもじゃな」
「はい、そして首全体は」
 その数はというと。
「五百はおります」
「三千のうち五百か」
「しかも名のある御仁で百六十人です」
「相当であるな」
「これだけ討ち取れば」
 それこそというのだ。
「もう伊東家もです」
「その力をかなり弱めたな」
「間違いないかと」
「これだけの勝利を収めれば」
 義弘が言ってきた。
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