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麗しのヴァンパイア
第三百八話

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               第三百八話  国宝級の価値
 美樹は春奈にも茶器のことを話した、すると春奈も言った。穏やかな口調でかつ笑顔で美樹に話した。
「そうなの、高いものはね」
「とんでもないものなのね」
「織田信長さんが使っていたり集めていた茶器なんかはね」
「あの人が」
「もう本当にとんでもないものばかりで」
 それでというのだ。
「当時の一国が買える位ね」
「国なの」
「当時の国は今で言う都道府県だけれど」
「例えば茶器一つで兵庫県位なの」
「そこまでのものがあるってね」
「それって何百億とか何千億とか?」
 美樹はそう考えて驚いた。
「凄いわね」
「そこまでの高いものもね」
「あったのね」
「そうなの、だからね」 
 それでというのだ。
「高いものはね」
「物凄く高いのね」
「そうしたものもあるから」 
 だからだというのだ。
「気をつけないとね、ただね」
「ただ?」
「こうしたものはね」
 そこまでの価値がある茶器はというのだ。
「もうお宝だから」
「まさにそれなの」
「そうそうはないから」
 だからだというのだ。
「私達が使うものはそうしたものはないから」
「安心していいのね」
「ええ、そのことはね。というかね」
 春奈は美樹に考える顔で話した。
「私達が使う茶器って普通の茶器だけれど」
 それでもというのだ。
「初心者の練習用だから」
「普通に使っていいの」
「そう、だからね」
「安心して使っていいのね」
「ええ、使っていきましょう」
 笑顔で言う春奈だった。
「皆でね、それでお茶もお菓子もね」
「楽しんだらいいわね」
「そうしましょう」
 こう言ってだった。
 春奈は美樹にそれぞれの茶器の具体的な使い方を教えていった、美樹はそのことには素直に頷くことが出来た。


第三百八話   完


                 2020・10・15
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