天使とラブソングを……?(第9幕)
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お会計お願いするよ。オレンジジュース2杯頼んだから、12Gだよね?」
「いいえ陛下! その12Gを受け取る訳にはまいりません」
そ、そうよね……王様から金取るなんて出来ないわよね。
「そういう訳にはいかないよ。ちゃんと税金払ってるんでしょ? だとしたら料金は支払わないと」
いやいや……王様からは……ねぇ。
「いえ、勘違いなさらないで下さい。私どもは真っ当な商売をしておりますので、当店で飲食をして頂ければ陛下からでも料金はお受け取り致します。ですが今回はそれに該当しません」
「……どゆこと?」
うん、どゆこと?
「陛下は先程、当店のステージにてお客様相手に演奏を披露されました。当店は飲食と共に音楽を提供する店……そのステージで曲を披露すれば、それに対して演奏料を支払わねばなりません。本来でしたらそれなりの額の出演料なのですが、今回は唐突に発生したステージ……普段よりも少額の出演料となります。その金額が偶然12Gでして、わざわざ陛下の懐からお金を取り出して頂く必要が無いという訳でございます」
「なるほど……粋だねぇ」
上手い言い訳ね。
恩着せがましくなく、金を取らないのね。
「貴族だと思って舐めてたよ、ハバネロ伯」
「あ、因みに私はハバローネ伯爵でございます」
おお、訂正した。
「うん、分かった。もう憶えた。ハバローネ伯爵ね」
どうやらちゃんと陛下に名前を覚えてもらえたらしく、オーナーは深々と頭を下げる。
それを見て“スッ”と手を上げ、頭を上げる様に指示する陛下は格好いい。誰だ、金持って無さそうなオッサンなんて言ったのは!?
そして陛下は格好いいまま、店を出て行った。
私たちは全員で頭を下げてお見送りをする。
……私だけワンテンポ頭を下げるのが遅れちゃったけど(テヘッ?)
「……いやぁ〜まさか、陛下が急に来店されるとは思わなかったよ。君が関わり合ったのは聞いてたけど、尋ねて来るとはね」
「私も驚きましたわ」
「聞いて良いかな、如何いった用件だったのかな?」
「内容はここでは話せないとの事でしたが、私へ仕事のオファーとの事です。詳しい内容は明日お城で伺わせてもらいますが……」
仕事のオファー!? す、凄い……天才で美人は得だなぁ!
「ふむ……では陛下がこの店で弾き語りを披露して頂いたのは、如何いった訳だい?」
「今回の仕事への報酬です」
ほ、報酬で陛下から曲を貰えるなんて……凄い……のか?
「あ、それよりキャロ! あんた気を付けなさいよ……陛下には聞こえてたからね。お客様の事を『オッサン』呼ばわりした事とか、『貧乏人』って言ってた事とか」
ゲッ……聞こえてたの!?
「|君
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