第五百九十五話 正門を去ってその五
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「やっぱり」
「そうよね」
「それじゃあ権力持ったらね」
「好き放題やるわね」
「まず確実にね」
「権力が他の力になってもだ」
アルフレドも話した。
「同じだ」
「力を持つとだね」
「力を好き勝手に使い」
「力に溺れて」
「頭もなければ自制心もだ」
それもというのだ。
「どうせないからな」
「それで自分の力にしても道具の力にしても」
「溺れてだ」
「破滅するね」
「そうなるのがお約束だ」
これ以上はないまでに冷めた声で述べた。
「そうした奴はな」
「創作でよくある展開だね」
ロミオもこう返した。
「それって」
「そうだな」
「馬鹿な奴が過ぎた力持って」
そうしてというのだ。
「その力に溺れて」
「破滅するな」
「そう、自業自得の展開だね」
「そんな馬鹿は力を持ってもな」
「どうせそうなって」
「異世界で無双の活躍もだ」
所謂異世界チートである、こうした展開をする創作はこの時代でも存在していて読まれても観られてもいる。
「それもだ」
「出来ないね」
「それはそれこそある程度の頭と人格があってだ」
「力も使いこなせるね」
「それに溺れない、そこまでの馬鹿になるとな」
それこそというのだ。
「確実にだ」
「破滅エンドだね」
「そうならない筈がない」
「そうだよね」
「馬鹿は結局だ」
「何処でも同じだね」
「この世界でもどうせうだつが上がらない」
そうなっているというのだ。
「店員でもだ」
「こうしてここで馬鹿だって言われる位ね」
ビアンカも冷めた口調であった。
「そうなるのね」
「そうだ、だからな」
「それでよね」
「そんな馬鹿はな」
まさにというのだ。
「どの世界でも同じだ、生きる価値すらないまでなら」
「同じよね」
「そうだ、力を持てばそれに溺れ」
「ないならないでっていうのね」
「何にもなれない、いや」
「いや?」
「既に馬鹿になっている」
アルフレドは自分の言葉をこう訂正した。
「何かにはなっているな」
「馬鹿にはなっているのね」
「これ以上はないまでのな」
そうしたレベルのというのだ。
「それにはなっている」
「それも最悪の」
「どうにもならないまでのな」
「それにはなっているのね」
「人は必ず何かにはなれるな」
「悪い意味でもそうね」
ビアンカも頷いた。
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