第五章
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「その同期が何してるかわかったぞ」
「今は、ですか」
「ああ、沖縄の基地反対運動あるだろ」
「あれですね、変な活動家が動いている」
「それの動画ネットで観ていたらな」
「その人いたんですか」
「アメリカ軍の基地の前で騒いでいる連中の中にいた」
そうだったというのだ。
「平日の昼間からな」
「わざわざ沖縄に行ってですか」
「騒いでいたよ」
「その人仕事は」
後輩は彼に問い返した。
「何ですか?」
「さあな」
これが後輩への返事だった。
「何だろうな」
「平日の昼間にいたんですよ」
「沖縄にな」
「その人生まれは」
「確か京都だったか」
「あの、本土から沖縄に」
「平日の昼間に行って騒ぐとかな」
それこそというのだ。
「出来ないよな」
「普通なら」
「それも色々動画チェックしたら何年もずっといるよ」
沖縄のアメリカ軍の基地の前にというのだ。
「それで騒いでいたよ」
「絶対にまともな仕事じゃないですね」
「ああ、働いていないかもな」
「ですから」
それでというのだ。
「まともな人じゃないですね」
「そうだよな」
「そうした人になっていたんですね」
「おかしな奴だったがな」
「余計にですか」
「ああ、何してるかわかったが」
このこと自体はよかったがというのだ。
「残念だな」
「知り合いがそんなことしているってわかって」
「ああ」
実際にというのだ。
「残念だよ」
「やっぱりそうですね」
「けれどおかしな奴だったからな」
「自衛隊いらないとか言う」
「そんな奴だったからな」
それでというのだ。
「今ああしてるのも納得出来るな」
「残念でもですね」
「ああなることも当然だ」
「おかしな奴はおかしなことをする」
「それもな、しかし恥ずかしい生き方だな」
「平日の昼間にいつもデモして何で生計立ててるんでしょうね」
「それも気になるしな、本当に恥ずかしい奴になったよ」
彼は津田についてこう言った、そして後で津田が騒乱行為や暴力行為、道路交通法違反で多くの前科があることも知って本当に恥ずかしい奴だと思った。そして彼の大学生時代の発言を思い出してそうもなるだろうとも思った。
頭お花畑 完
2020・9・19
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