第三章
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「どうにもならないな」
「ああ、あいつの考えはな」
「もうどうかしてるな」
「見ているものが俺達と違うな」
「本当にな」
「そうなっているな」
「ああいう奴はもう幾ら言っても無駄だろ」
最早というのだ。
「それこそな」
「もうそうとしか思えないな」
「一体何見ているんだ」
「世の中の並見ているんだ?」
「自衛隊いらない?」
「北朝鮮の独裁者がよくて日本の皇室は駄目か?」
いぶかしながら言うのだった。
「立憲君主制は民主主義じゃないか」
「っていうか共産主義は民主主義か」
「どんな頭の構造してるんだ」
「じゃああいつの中では北朝鮮は民主主義か」
「正気か」
「いや、そもそも話す目おかしかったな」
「そういえばそうだったな」
ここでこのことに誰もが気付いた。
「そういえばな」
「自衛隊いらないっていうのも平気な目で言ってた」
「北朝鮮のこともな」
「兵器過ぎてやばい感じだったな」
「ああ、そうだったな」
「じゃああいつはそういう奴か」
彼等の中で結論が出ようとしていた。
「そうした考えの奴か」
「現実を全く見ていないか」
「見えていない奴か」
「自衛隊がこの前震災の時にあれだけのことをしてもな」
「全く見えていないんだな」
「そういう奴か」
「じゃあもうこうしたことで何を言ってもな」
それこそというのだ。
「無駄だな」
「そうした奴ってことだな」
「もう放っておくしかないな」
「言っても無駄だしな」
「こと政治のことはな」
最早というのだ。
「言っても駄目だな」
「ああ、そっち系の雑誌も熱心に読んでるみたいだしな」
「どうしようもないな」
彼等は津田のことを諦めた、そして以後彼に政治の話をすることはなくなった。だが津田は政治的にはさらにおかしくなり。
そうした雑誌や本を読み耽り市民活動にも参加する様になった。その主張もどんどん先鋭化していき。
卒業した、それから彼がどうなったか多くの者は知らなかったが。
彼の友人だった者が就職してだった。後輩が出来てその後輩に津田の話をした。
「こういう奴が大学の同期にいたんだよ」
「その人アホですか?」
後輩は彼に真顔でこう返した。
「いや、本当に」
「アホか」
「自衛隊なくて災害の時どうするんですか」
「そいつが言うにはな」
「無理ですから」
津田の言う様には出来ないというのだ。
「あと国防もですよ」
「絶対だな」
「そんなの猿だってわかりますよ」
それこそというのだ。
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