第四章
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「特に夜にね」
「活動的になるのよね」
「だからね」
「若し夜に海に落ちたら」
「冗談抜きで危ないわよ」
「そうなのね」
「だからおじさんもね」
今釣りをしている人もというのだ。
「あまり海の方に出てないでしょ」
「結構離れてるわね」
「それで立ってないで座り込んでるわね」
「海に落ちない様に重心しっかりしてるのね」
「そうよ、手もガードして救命胴衣も着けて」
「それでもなのね」
「そうした注意もしてるのよ」
こうゆみりに話した。
「おじさんもね」
「さもないとな」
そのおじさんも言ってきた、渋いバリトンの声だ。
「危ないからな」
「だからですか」
「おこぜは美味いけれどな」
ゆみりにこう言った。
「釣った魚はしっかりライトで照らして何か確かめてからな」
「手に取っていますか」
「オコゼは危ないからな」
毒があるからなのは言うまでもなかった。
「他にも危ない魚は多いし」
「だからですか」
「用心しているんだよ、夜釣りはな」
どうしてもというのだ。
「するならしっかり勉強して釣りの経験を積んでな」
「それからするものですか」
「危ないからな、本当に」
「そういうことよ、私もまだしてないから」
千明がここでまた言った。
「夜釣りはまだまだ先でいいわよ」
「危ないから」
「そうよ、釣りは楽しむものでね」
それでというのだ。
「死ぬものじゃないのよ」
「シビアな言葉ね」
「実際に死んだ人もいるから」
「釣りの事故で」
「そう、だから釣りには用心をして」
そうしてというのだ。
「やっていこう」
「それじゃあね」
「帰ろうね、今は」
「うん、じゃあね」
「飲む?高校生だけれど」
千明はゆみりに今度はこう言った。
「お酒ね」
「お酒って」
「堅苦しいことはいいっこなしでね、煙草とかじゃないんだし」
「ううん、いいの?」
「お家の中でね。晩ご飯の残りを肴にして」
そうしてというのだ。
「飲もう、ビールも焼酎もあるしね」
「焼酎ね」
「ウイスキーもあるよ。何飲む?」
「飲むなんてちょっと」
「まあまあ。堅苦しいことは抜きでね」
千明はお酒は駄目なんじゃと真面目に言うゆみりのそこはあしらいつつ彼女を家に連れて帰って一緒に風呂に入ってからゆみりを巧みに誘って飲んだ、すると。
千明はビールを飲んでいたがゆみりは何とウイスキーボトル一本あっという間に空けた、それでこう彼女に言った。
「ウイスキー一本って私より凄いじゃない」
「そう?」
「そうよ、お酒は駄目とか言いながら」
それがというのだ。
「やるわね。けれどまたね」
「ええ、釣りをね」
「やろうね」
「そうしようね」
二人で飲みつつ話した、肴の刺身も天
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