第一章
[2]次話
大雨の後で
夏休みである、だが。
睦月麻里奈は母の明菜にこう言われた。
「お昼に出るのは待ちなさい」
「えっ、どうしてなの?」
「お昼は雨が降るからよ」
母はまだ小学一年生の娘にこう言った。
「だからよ」
「えっ、晴れてるよ」
娘は窓から外を見た、見れは青空が広がっていて雲は少ない。
「雨なんて降らないよ」
「天気予報でそう言ってるのよ」
母は自分そっくりの顔立ち、大きな目で少し緩んだ感じの口元にふっくらとした餅の様な頬の顔立ちの娘に言った。顔立ちはそっくりだが髪の毛は夫のもので黒くておかっぱにしている、逆に彼女の神は少し茶色がかっていて後ろで束ねている。
「だからよ」
「雨降りそうもないけれど」
「降るわ、だからね」
「お昼はお外に出たら駄目なの」
「ええ」
そうだというのだ。
「いいわね」
「じゃあ朝は遊んでいいのね」
「お昼ご飯まではね」
その時はというのだ。
「けれどお昼はね」
「出たら駄目なの」
「お昼はお家の中にクーラー入れるから」
それで涼しくするからだというのだ。
「だからね」
「それでなの」
「夏休みの宿題をしなさい」
学校そして塾のというのだ。
「いいわね」
「それじゃあ」
麻里佳は素直な娘だ、それでだった。
昼は外出はしなかった、そして夏は。
母と一緒に素麺を食べたがその素麺はサラダ素麺で多くの野菜が一緒でしかも牛乳も飲む様に言われた。
「夏は暑くてもよ」
「しっかり食べないと駄目なのね」
「お母さんいつも言ってるわね」
「うん」
娘もその通りだと答える。
「お父さんにもね」
「そうよ、だからお野菜も食べて」
トマトにレタス、セロリに人参といったものが細かく刻んで入っている。麻里佳は前は人参は好きではなかったが最近食べる様になってほっとしている。
「牛乳もね」
「飲むのね」
「そうよ、お野菜に牛乳もだったら」
これならというのだ。
「身体にもいいし夏にもね」
「いいのね」
「だからよ」
これは自分の為でもあった、夏バテしない為に。だが娘の身体のことを考えてそれで一緒に食べている時に言ったのだ。
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