第一章
[2]次話
雪女郎に背を
福島県磐城に伝わる話である、西郷四郎はこの時故郷である福島県に戻っていてそれで今の福島の状況を古い知り合い達から聞いていた。
その話は様々であったが磐城の話を聞いて彼は飲みつつ言った。
「それは面白いな」
「面白いか?」
「物騒な話だぞ」
「崖道で出て来て背中を向けると谷底へ落とすのだぞ」
「こんな危ないものはないぞ」
「ははは、そんな女がいるならだ」
西郷は飲みつつ話す故郷の古い知人達に明るく笑って話した、明るく丸坊主が似合う顔であり気風のよさそうな感じである。
「わしが言ってだ」
「投げるか」
「投げ飛ばすか」
「そうしてみせるか」
「そうだ、雪のある崖道で出て来るな」
西郷は彼等が話す話のことから話した、話しつつ笑って酒はどんどん飲んでいる。肴の漬物も楽しんでいる。
「そうだな」
「聞いた話ではな」
「昼か夜かはわからぬが」
「磐城の雪が降る時に出る」
「崖道にな」
「雪が降る時に出るとなると」
そこからだ、西郷は言った。
「雪女か雪女郎か雪男か」
「先の二つの区別がつきにくいな」
「どうもな」
「まあどっちにしろ妖怪か」
「雪が降る時に出るとなると」
「そうであろう、妖怪退治をしたいと思っておった」
やはり豪快に笑って言う西郷だった、そこに恐れも怯みも全く観られない。
「だからな」
「それでか」
「磐城に行ってか」
「その妖怪を退治してくるか」
「そうしてくる、では早速行って来る」
思い立ったが吉日といった感じでだった、西郷はもうその場で席を立ってそのうえで彼がその時いた会津故郷であるそこからだった。
磐城に向かった、そして地元の神主に話を聞くと神主は西郷に話した。
「雪女郎といいまして」
「やはり妖怪でしたか」
「姿を見た人の話を聞きますと」
どうかとだ、神主は西郷に神社の中で共に茶を飲みつつ向かい合って話した。西郷も彼と正座して向かい合っている。
「白い着物に髪の毛で肌も真っ白で」
「まさに雪の妖怪ですな」
「そして顔がのっぺりとしていて」
神主は西郷にその雪女郎の話をさらにした。
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