第五章
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「勝負に勝とうと思えば得意分野で挑むことも大事だな」
「そういうことだ」
「そうだな、だが私は本当に勉強と芸術はな」
この二つはというのだ。
「駄目だな」
「その二つはどうしてもか」
「全くだ、格闘と家事はいいが」
「ならだ」
「それならか」
「その二つを活かすことをすればいいし」
河原崎は夕実に話した。
「それに苦手を克服したいならな」
「それならか」
「そちらを努力することもな」
このこともというのだ。
「いい筈だ」
「そういうことか」
「だから俺もな」
河原崎は夕実にこうも言った。
「少し家事をやってみるか」
「料理等をか」
「流石にカップラーメン位しか作れないならな」
「カップラーメンは作るうちに入るのか？」
「俺としてはな、だがそれでは駄目だからな」
何かあった時に心もとないと思うからだ。
「だからな」
「それでか」
「少し勉強するか」
「そうか、なら教えるぞ」
「そうしてくれるか」
「私でよかったらな」
「なら頼む」
二人でこうしたことを話してだった。
河原崎も夕実もそれぞれの得意分野を伸ばしつつ苦手分野も励んでいった、二人でそうすると少しずつでもよくなっていった。
それは夕実が敗れた勉強でもであったが。
「お前に教えてもらうとな」
「わかってきたか」
「うむ、これで赤点を取らなくて済む。ならな」
「これでいいか」
「そう思う、負けたことはもう悔しくない」
「そうか」
「過ぎたことだからな、では赤点を取らない様にな」
その様にというのだ。
「これからも頑張っていく」
「そうするか」
「苦手なものも二人ならよりよくなるからな」
「それならな」
「これからもやっていく」
こう話してだった、夕実は勉強も頑張った。それで赤点は取らなくなった。河原崎との交際をはじめてから。そしてそのことにも感謝するのだった。交際がはじまったことに対して。
自分に勝て 完
２０２０・９・１３
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