第二章
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「今は」
「そうよね、あの頃とは何もかもが違うわね」
「平成のはじめ頃とはね」
こう言いつつ私は同じ大学の同じ学部の彼にスマホで連絡を入れた、それで明日行くお店の話をした。そのお店は飲み放題つきのラフなイタリア料理をメインとしたレストランで。
アルバイトの帰りにラフな、お店に相応しい服装で二人で行って飲んだ、休日前なので二人共かなり飲んでだった。
食べもした、パスタに肉料理も食べたけれどお金はそんなに使わなかった。それで楽しんだ後家に彼と一緒に送ってもらうと共に帰りのデートを楽しんで帰ると母にこう言われた。
「歩いて帰ってきたのね」
「駅からね」
「彼氏さんに車で送ってもらわなかったの」
「何でそんなことするのよ」
「昨日言ったアッシー君って送ってくれる人だったのよ」
「そうだったの」
「そう、それであんた彼氏さんと一緒にお店行ったみたいだけれど」
母は私にさらに言ってきた、私は母とやり取りをしつつ玄関で靴を脱いで鞄も置いていった。
「メッシー君は奢ってくれるの」
「友達と二人で割り勘で飲んでたわ」
「飲み放題でよね」
「楽しくね」
「高級レストランをご馳走にじゃないのね」
「そんなところ滅多に行けないし」
高いお店を普通の大学生が行ける筈がない、夢みたいな話だ。
「奢ってもらうとかもないわ」
「そうなのね、何か貢いでもらうことも」
「それがミツグ君?」
「ええ、それもないのね」
「ないわよ、自分のお金で飲んで食べて貢いでもらわなくて」
「割り勘でなのね」
「付き合うのよ、ラフにね」
こう母に返した。
「それが今風でしょ」
「令和の女の子ね」
「そう、じゃあシャワー浴びてね」
そうしてだ。
「寝るわね」
「サバサバしてるわね」
「そんなものでしょ、今は」
「本当に昔と違うわね」
平成のはじめの頃とはとだ、母はまたこう言った。
「かく言うお母さんも白髪ある様になって皺は増えたしお父さんもすっかり太って」
「あの頃とは全然違うわね」
「そうね、そう思うと今の女の子がお母さんの若い頃の女の子と違っても当然ね」
「お母さんも若い頃お祖母ちゃんに言われたでしょ」
「昭和の三十年代とはってね
「そんなものよ、私だって娘が出来たら言われるわよ」
実は結婚するつもりはまだ全然ないけれど笑ってこう言った。
「今と昔は全然違うって」
「その娘が大人になった時に」
「そう言われるわよ」
最後にこう言ってだった、私はお風呂場に向かった。そうしてシャワーを浴びて身体も髪の毛も洗ってだった。
お酒を抜いてお水を飲んで寝た、飲み放題の安いお酒だったけれど気持ちよく飲めたことに満足感を感じながら。それが今の私今の女の子だった。
MODERN WOMAN 完
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