暁 〜小説投稿サイト〜
犬を捨てる者達の素顔
第二章

[8]前話 [2]次話
「あの二人何なんだ」
「酷いですよね」
「あまりにも」
「勝手な理由で遅刻や早退も多いですし」
「欠勤もですし」
「後輩へのパワハラやモラハラも多いですし」
「外から来た人への喋り方もなっていないです」
「礼儀作法も悪くて」
 そしてというのだ。
「あちこち汚して」
「何かとマナーも悪くて」
「最悪な連中ですね」
「本当に」
「二人共地元だな、地元でどんな連中だったんだ」
 その二人はというのだ。
「一体」
「ああ、もう県内でも底辺の底辺の高校で」
「ゴロツキしかいない様な高校でも札付きで」
「家はどっちもヤクザで」
「自分勝手で暴力的な両親で」
 どちらもというのだ。
「その中で育って」
「あいつ等もああなったみたいです」
「万引きとかカツアゲとか散々してたらしくて」
「弱い者いじめも」
「そんな連中か、それならな」
 中村もここまで聞いて言った。
「あんな風でも当然だな」
「そうですね」
「もうあんまり態度が酷いとです」
「これ以上雇っていても」
「この工場の中でも苦情が絶えないですし」
「そうだな、解雇もな」
 これもというのだ。
「仕方ないな」
「考えておきましょう」
「あんな連中ですから」
「仕方ないですね」
「これ以上酷くなると」
「本当にな」 
 中村はこう言った、実際に二人の解雇を真剣に検討しだしたが。
 その矢先に二人は飲酒運転で事故を起こし死んだ、盗んだ車でそうなって多額の賠償金は二人の両親達が支払ったが。
 非常に揉めた、そこで二人の家を知ったが。
 両方共飼っていた犬を捨てていた、一人はシェパードを飼っていたが。
「大きくなったからですか」
「はい、捨てていました」
 中村はボランティアの施設で山村に話した。
「それも山に」
「そういえば」
 山村はその話を聞いてはっとなって中村に話した。
「中村さんのシェパードの」
「アンゴはですか」
「はい、あの子は山に捨てられていました」
「それじゃあ」
「その事故で死んだ社員が」
 その彼がというのだ。
「家で飼っていましたね」
「そうですか」
「はい、そうです」
「そういえば」
 中村はさらに話した。
「カズオは」
「マスチフの子ですね」
「何でももう一人がマスチフを流行だって飼っていて」
 それでというのだ。
「流行が終わったので公園にそのまま」
「ええ、あの子は公園で」
 山村はまた答えた。
「見付かって」
「保健所にですか」
「そうなりました」
「そうですか、どんな飼い主だったかと思えば」
 中村は苦々しい顔になって述べた。
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ