第一章
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そっちの努力もしないと
湯上鉄男には乗介という一つ下の弟がいる、丸眼鏡で中肉中背で黒髪を短くしている鉄男は運動は不得意で比較的地味だが。
細い目で明るい顔立ち、茶色の癖のある豊かな髪の毛で背が高くすらりとしている乗介は運動神経がよく目立っていた。
だが鉄男は成績優秀で県内でも有名な進学校に進み勉強が苦手な乗介はお世辞にもレベルの高い高校に入学した。そして入学早々だった。
乗介は鉄男に笑って言った。
「うちの高校バイトしてもいいからな」
「だからか」
「ああ、父ちゃんも母ちゃんもいいって言ってるしな」
「ラーメン屋でバイトするんだな」
「部活入ろうとも思ったけれどな」
それでもというのだ。
「バイトして金貯めてな」
「それで遊ぶつもりか」
「ああ、そのお金にもなるだろ」
だからだというのだ。
「高校の時はバイトに励もうと思ってるんだよ」
「そうか、まあ留年しない位にな」
兄は弟が勉強が苦手なことから話した。
「頑張れよ」
「ああ、先生もいいって言うしな」
「アルバイトするんだな」
「そうするな」
こう言ってだった。
乗介は高校に入ってすぐにラーメン屋でのアルバイトをはじめた、するとこれが彼に合っていてだった。
かなり長く続いた、そして八条大学への進学が決まりサークルは大好きな鉄道関係のそれに入った兄にだ。
高校三年生、受験生の弟はこう言った。
「俺進学するよりもさ」
「就職か?」
「ああ、そうしてな」
そのうえでというのだ。
「その就職先はな」
「ひょっとして」
兄は弟がアルバイトをしていることから言った。
「ラーメン屋か?」
「高校卒業したら嘱託社員で採用するって話があるからさ」
「それで入るのか」
「そこから正社員になれるっていうしな」
嘱託からというのだ。
「そうしようって思ってるんだよ」
「そうか、まあ進学するだけが人生じゃないしな」
「父ちゃんも母ちゃんも先生もいいって言うしな」
アルバイトをはじめた時と同じくというのだ。
「だからな」
「ラーメン屋にか」
「八条ラーメンにな」
世界的な企業グループ八条グループが経営している外食産業の一つである、ラーメンのチェーン店で全国だけでなく世界各国に展開している。
「今バイトしてるしな」
「そこには」
「そのまま入るな、それで調理師免許とかも取って」
そしてというのだ。
「目指すは世界一美味いラーメンをな」
「作るのか」
「ああ、頑張るぜ」
弟は兄に明るい顔で言った、そしてだった。
実際に彼は高校を卒業すると嘱託でラーメン屋に就職してだった。
そこから正社員になった、そうして大学を卒業して大好きな鉄道会社である八条鉄道に就職した兄
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