第二話―立ち込める暗雲
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木から木へと飛び移りながら,林の中を移動する一人の忍。額当てには滝隠れのマーク。向かう先は木ノ葉である。いかに角都と言えど,今回のターゲットは決して甘い相手ではない。柱間本人もさることながら,木ノ葉の厳重な警戒網を潜り抜けるのは至難の業だ。里に入る前に,まずは火の国で情報を集めるか……,そう思った時である。
(……?)
気配を感じた。角都は足を止め身を潜める。木の枝に立って見下ろした所を数十人の忍が駆け抜けて行く。方向は角都と同じのようだ。
(あれは……。)
彼らの額当てに,雲隠れのマークが刻まれていることを確認する角都。さらにその先頭を走るのは,凶暴で知られる雲隠れの暴れん坊だ。
(雲隠れの"金角部隊"……!?)
「何を見てやがる?」
「!!」
突如背後から声がしたかと思うと,角都の側頭部目掛けて手刀打ちが繰り出される。
ガッ!
しかし,角都はそれを咄嗟に腕でガードする。
「チッ……!」(なんだ……?コイツの硬さ……?雷影のヤローとも違え……。)
「土遁・土矛。貴様こそ,何のつもりだ……。雲隠れの銀角だな?」
角都は攻撃を防いだまま,背後にいる銀角を睨みつける。
「フン……。」
銀角は一先ず下がって距離を取る。
ザッザッザッザッ!
通り過ぎて行ったかと思われた先ほどの数十人の忍たちが,角都の周囲を取り囲んだ。その中にはやはり,金角もいる。
「てめえその額当て,滝隠れのヤローだな?ちょうど良い,コイツでウォーミングアップでもして行くか。」
「雲隠れの金銀兄弟……十億の前に,良い臨時収入だ。」
滝の暗殺者と雲の凶弾,互いに身を構え一触即発の状態になる。
「お待ちください,金角様,銀角様。」
しかし,金角の部下の一人が彼らを諫める。
「これから任務へ向かうところ,このような場所で派手に暴れると敵に勘付かれます。もう木ノ葉隠れの里はすぐそこです。ここはどうぞ穏便に。」
「アァ!?ウォーミングアップっつったろ!こんなザコ一人片付けるのに,全力出す必要もねえ!」
金角は,部下の言葉に聞く耳を持たない。しかし,角都はその単語をしかと聞いた。
「木ノ葉……?やはりその方角だったか……。貴様ら,木ノ葉に何の用だ?」
「あ?これから一暴れしてやろうってんだよ!文句あるかぁ!?」
「ふん……面白い。」
彼らの目的を理解した角都は,ニヤリと笑った。
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