アマゾン態
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める。思い出したかのように呻きだし、全身の筋肉が痙攣していく。
「____……う……あ……」
やがてアマゾンの身体より、白い煙が吹きあがる。まるで人がアマゾンになるのと同じようなものだが、それは逆に、アマゾンを人のシルエットに戻すものだった。
やがて、煙の中から現れたのは、ふらつきながら何があったのか理解していない顔の千翼だった。
「こ……これって……」
千翼はまるで記憶がないかのように、周囲を見渡している。やがて、傷ついたハルトと友奈を見て、
「俺……俺がやったの……?」
「待って……」
「俺が……俺が……!」
千翼は足元に円状に広がるアマゾンの体液を見て、頭を抱える。
「あああああああああああああああ!」
「千翼……くん!」
ハルトが止めるよりも早く、悲鳴とともに千翼は階段へ逃げて行った。
「待って……千翼くん……」
千翼を追いかけようとするハルトの前に、アマゾンたちが道を塞ぐように湧いてくる。
「まだこんなにいるのか……っ!」
変身しようと指輪をするが、その前にアマゾンたちが押し寄せてきた。
「ハルト!」
だが、そのアマゾンたちを真司が食い止めた。
「真司さん!」
「おりゃっ! 大丈夫だハルト! ここは俺に任せて先に行け!」
「でも……」
「このっ! ほら、友奈ちゃんも!」
「い、いいの?」
友奈もアマゾンたちと格闘する真司へ驚きの眼差しを向けている。
だが真司は、友奈を立たせ、ハルトの方へ背中を押す。
「真司さん!」
「大丈夫だ!」
真司はサムズアップをしながら、その腰にVバックルを付ける。アマゾンたちの攻撃をいなしながら、腕を左上に流す。
「変身!」
真司が鏡像とともに龍騎となる。アマゾンたちを階段に通すことなく、元人間たちを食い止めていく。
ハルトは龍騎の背中に感謝しながら、階段を駆け上り、要塞のような病院内部を進んでいった。
「千翼君!」
「千翼くん!」
千翼の後を、ハルトと友奈が追いかける。二階。三階。だが、大きく引き離された千翼の姿はどこにもない。
「どこに行ったの……?」
四階の踊り場で、友奈は廊下と上の階を交互に見ていた。
「多分この階じゃないな。孤児院だとしたら、最上階だ!」
「最上階……」
友奈が階段を駆け上がっていく。ハルトも大きく飛び越えながら、階段を登っていく。
その時。
「うわっ!」
踊り場で待機していたのか、ハゲタカの姿をしたアマゾンに首を掴まれる。そのまま階段より六階の廊下へ押し倒された。
眼球を狙って指で付いてくるハゲタカアマゾンの腕を受け止めるハルトへ、友奈が引き返そうとする。
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