暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
最終章:無限の可能性
第272話「音を重ね、奏でる」
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、切り札は消えた”と……」

「―――そんな訳、ないでしょう?」

 最早、奏の分身は止まらない。
 奏の言葉が突き刺さり、神の戦慄も止まらなくなった。
 “天使”が割り込もうとしていたが、分身がそれを止めていた。
 そうなれば、もう奏の独壇場だ。

「まとめて、薙ぎ払ってあげる……!」

 増えに増えた分身が、再度集束していく。
 積み上げられた術式が、大きく展開される。
 欠片のように集められた“意志”が、“性質”の干渉を跳ね除ける。

「これが、私が奏でる“音”よ!」

   ―――“Angel Beats(エンジェルビーツ)-Orchestra(オーケストラ)-”

 そして、再度極光が放たれた。
 それは先ほどよりも大きく、鮮やかで、まさしく楽団(オーケストラ)の如き魔法だった。













「………私の、勝ちよ」

 極光が消えた時には、神の姿はなかった。
 奏自身、確実に“領域”を砕いた手応えを感じていた。

「……かなり、時間を使ったわね」

〈地球換算で、戦闘だけでも21分かかりました〉

「神界ともなれば、どれだけのロスになるかわからないわね……」

 戦闘に専念するため沈黙していたエンジェルハートの言葉に、奏は少し考える。

「……進むわよ」

〈彼の下へ?〉

「当然」

 すぐに考えはまとまり、奏は神界の奥へと歩を進める。
 向かうのは、イリスのいる場所。
 優輝の力となるため、奏は突き進んでいった。
















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