最終章:無限の可能性
第272話「音を重ね、奏でる」
[6/8]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
こまで耐えるか、見ものだな」
「生憎、それを見届ける事は出来ないわ。私が、倒すもの……!」
“意志”を高め、ゆっくりながらも針から体を抜く。
転移などによる脱出が出来ないのがもどかしく感じる程ゆっくりだ。
当然ながら、神はそんな見え見えの隙を逃さない。
「ッッ……!?」
まさに針地獄。奏は四方八方から理力の閃光に貫かれる。
優輝達程ではないとはいえ、理力を圧縮した一撃だ。
食らえば食らう程、奏の“領域”はダメージを受ける。
「くっ……!」
“意志”でもなかなか抜け出せない。
ならば、その時間を稼ぐ必要がある。
そう判断して、奏は“意志”と共に魔力を圧縮させる。
その圧縮した魔力弾を閃光にぶつけ、相殺を試みる。
無論、全てに“意志”を込め、行動の阻害を何とか突破する。
「っ、ぁ、はぁっ、はぁっ、はぁっ……!」
「ちっ……抜け出したか……」
ぞっとした。
歪んだ“性質”による拘束は、ここまで強くなってしまうのかと。
ミエラの知識に照らし合わせられるからこそ、恐ろしく思えた。
「(……今までなら、ここで絶望してた。……でも……!)」
だからこそ、乗り越えるべきだと、そう決意出来た。
「だが、ここまで打ちのめされれば―――」
「シッ……!!」
「なにッ!?」
早く、速く一撃が繰り出される。
その速さは、今までで一番早い。
遅くなるどころか、さらに動きが速くなった事に、神も驚愕する。
攻撃自体は相変わらず障壁に阻まれるものの、動きは一切衰えていない。
「いくら“意志”の通りが悪くても、私自身に作用する分には問題ないわ。……まだ、私は戦えるわ。攻撃は通らなくても、この動きについてこれるかしら?」
―――“Delay”
原点回帰とばかりに、移動魔法を連発する。
行動を“防がれ”れば、その分だけ魔法を連発し、無理矢理動く。
その動きが逆に不規則性を生み出し、神を翻弄する。
「っ……無駄だ!」
「それでも、敗北を認める理由にはならない……!」
斬撃が迸り、その悉くが障壁に阻まれる。
攻撃は一切通らない。
斬撃だけでなく、魔力弾や砲撃魔法も使うが、結果は同じだ。
「――――――」
当然、そんな千日手で奏は終わらせない。
並行して一つの魔法を組み上げていく。
それを事前に“防がれ”ないように、同時にいくつもの攻撃魔法を使いながら。
「(これで……!)」
「見えているぞ!」
「ッッ……!」
だが、発動直前でその魔法は“防がれ”た。
発動するのに近づく
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ