第六幕その七
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「それでもね」
「それでもなんだ」
「お水の中に入るから服を脱がないといけないね」
「それはそうだね」
「そこから水着を着てお水に入ってお池から出たら身体を拭くし」
「そのことを考えたら」
「僕が一番手間がかからないからね」
だからだというのです。
「僕が行くよ」
「私もお水の中でも平気だけれどね」
ガラスの猫も言ってきました。
「それでもね」
「君はツルハシを持って来るには小さいからね」
「ええ、だからね」
木挽きの馬に答えました。
「私はね」
「そう思ってだね」
「今回は出しゃばらなかったのよ」
「最初からだね」
「そうしたのよ」
こう木挽きの馬に言うのでした。
「私はね」
「そうだね、じゃあ今からね」
「行って来るのね」
「そうするよ」
こう言って実際にでした。
木挽きの馬はお池の中に入りました、そうしてすぐにお口に一本のツルハシを咥えて戻ってきました。そのツルハシを見てでした。
ツルハシを落としたゴブリンは大喜びで言いました。
「有り難う、これでね」
「ツルハシが戻ったね」
「うん、無事にね」
「それは何よりだよ」
「それじゃあね」
ゴブリンは木挽きの馬に何かを出しました、それは何かといいますと。
お饅頭でした、日本のお饅頭で栗の色と形をしています。どうやら栗饅頭みたいです。それを出して言うのでした。
「よかったら食べてよ」
「僕は何も食べる必要がないけれど」
「これはグリンダさん達にでね」
「食べてってことだね」
「君の身体を拭かせてもらうよ」
今度はタオルを出して言いました。
「僕の為にお池に入ってくれたしね」
「すぐに乾くよ」
「それでもすぐに水気がなくなった方がいいね」
「そう言われるとね」
「だからね」
それでというのです。
「これからね」
「僕の身体を拭いてくれるんだ」
「そうしていいかな」
「そう言ってくれるならね」
木挽きの馬も頷きました、そしてです。
ゴブリンは彼の身体をタオルで念入りに拭きました、そのうえで彼に言いました。
「これでいいかな」
「うん、すっきりしたよ」
木挽きの馬は笑顔で答えました。
「お陰でね」
「それは何よりだね」
「うん、それで君達はこれからもだね」
「また何処かで修理のお仕事があるならね」
「そちらに行くんだね」
「それが僕達の仕事だからね」
それでというのです。
「そうするよ」
「そうなんだね」
「うん、じゃあね」
「また会おうね」
こうお話してでした。
一行はゴブリンと別れました、そうして旅を再開するとでした。ふとモジャボロがこんなことを言いました。
「木挽きの馬のお陰でね」
「さっきはだね」
「無事に終わったね」
こう弟さ
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