悲劇の原因
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アマゾンネオは、まるで過呼吸のように息を吐いている。
「どうしたの?」
「分からない……体が……」
動けないアマゾンネオは、戦えない。
友奈はアマゾンネオの肩に触れた。
「大丈夫。千翼君は、休んでいて」
友奈はアマゾンネオの前に立ち、彼を狙うアマゾンを殴り飛ばした。
そのまま、アマゾンネオを捕食しようとするアマゾンたちへ、友奈は武術で対抗する。
「俺は……」
その時。
背後で、千翼が絞り出すような声を発した。
「俺は……俺は……っ!」
「千翼くん?」
その時、友奈は見た。
アマゾンネオの身体が、陽炎ができるほどに発熱しているのを。
その熱さに耐え切れずに、拘束具の一部が弾け飛んでいくのを。
そして。
黄色のバイザーが破裂し、中から赤く、凶悪な瞳と目が合った。
「ち……」
それ以上の言葉が続かなかった。
友奈は、持ち前の反射神経で伏せる。
その頭上を、無数の蒼い触手が走っていたのだ。
それはアマゾンたちを串刺しにし、フロアを破壊し、アマゾンをつるし上げた。
「あああああああああああ!」
それは千翼の声なのだろうか。
やがて、これまでのアマゾンとは比にならない白い蒸気により、アマゾンネオの姿は見えなくなってしまった。
だが、それでも彼の声は、どこまでも友奈を奥深く突き刺す。
狂ったような悲鳴を上げるアマゾンネオは、さらにウィザードと龍騎にも、そして友奈にも狙って触手を放った。
『エクステンド プリーズ』
「友奈ちゃん!」
「うわっ!」
背後から、伸縮自在なウィザードの手が、友奈の襟をつかむ。
そのまま二人の背後に投げられた友奈は、ドラグバイザーの音声を耳にした。
『ガードベント』
龍騎が両手に武装した、ドラグレッダーの胸と同じ形の盾。だが、アマゾンネオの触手は、龍騎の盾、ドラグシールドを易々と貫通。龍騎と、上空のドラグレッダーにダメージを与えた。
「ぐあっ!」
「_________」
龍騎が倒れるとともに、床に落ちるドラグレッダー。
「真司さん! 一体何が……?」
龍騎を助け起こしながら、友奈は煙が晴れていくのを見た。
その中にいたのは、アマゾンネオでも、ましては千翼でもなかった。
「あれは……?」
その姿に、友奈も、ウィザードも、龍騎も言葉を失った。
「_____________」
それは何と言えばいいのだろう。
それを形容する言葉を、友奈は首を振って否定した。
「違う……あれは千翼君じゃない……!」
だが、どこにもいないアマゾンネオ。なにより、アマゾンネオと全く同じ青が、友奈の心を否定する。
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