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もう一つの"木ノ葉崩し"
プロローグ―木ノ葉の忍たち
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が苦労して創り上げたこの里……よそ者に決して好き勝手はさせん。」

そして扉間自身もまた,里を護らんとする気持ちは誰にも引けを取らない。

「それとな……,ワシは兄者の代理でここにいるだけだ。二代目様という呼び方はよせ。扉間様で良い。」


トン,トン,トン

扉をたたく音がした。

「入れ。」

扉間がそれに応じる。

ガチャガチャ……ガチャガチャ……トントン

しかし,彼あるいは彼女は一向に入ってこない。どうやら,扉を開けるのに苦労しているようだ。

「……?どうした?誰だ?」

「……?」

扉間は不思議に思って声をかける。サスケとサイゾウもまた,互いに疑問の表情を浮かべた顔を見合わせる。

ガチャガチャ……

「おじーさま,あけて。とどかない。」

扉の向こう側から声が聞こえる。

「ツナか!?」

「綱手様……!」

扉間は驚いて火影室の椅子から少し腰を浮かす。扉の近くにいたサイゾウが急いで開けようと手を伸ばすが,それよりほんの少し早く扉が開く。

ガチャッ…キイィ……

「あっ,とどいた。」

めいっぱい背伸びをして何とかドアノブに手を届かせた綱手が,ゆっくりと開く扉の隙間から顔を出す。千手柱間の孫にして,後の五代目火影。やがて驚異的な医療忍術の才能を開花させることになる彼女だが,この時はまだ誰も知らない。

「綱手様,お一人でこのような所に……。」

サイゾウが扉を大きく開けて,綱手を中へ入れてやる。

「ツナ,どうした。あまり一人で動き回るなといつも言っておるぞ。」

「おじーさまは?」

綱手はその場にいた三人を見上げ,順番に見回す。

「……兄者は今,少し体調を崩して休んでいる。ここには居ない。」

「どこ?あいたい。」

綱手は扉間に顔を向ける。

「…今はならぬ。すぐに良くなるゆえ,それまで心配せずに待っておれ。」

「あいたい。」

なおも食い下がる大姪の澄んだ瞳を見て,扉間はほっと溜息をついた。
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