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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
無印編
第64話:解き放たれる姿
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街の方を向くとそのエネルギーを解き放った。
狙った先に居たのは…………颯人とヒュドラ。フィーネは何と、この場で最も腹立たしい存在である颯人をヒュドラと街諸共始末しにかかったのだ。
『ッ!? 颯人逃げろ!!』
「え? げっ!?」
咄嗟に奏が念話を送った事で、颯人は一早く逃げる事が出来た。だがヒュドラはそうではない。彼は反応が遅れ、フィーネによるエネルギーの奔流に呑み込まれたのだ。
「なっ!? がぁぁぁぁぁぁぁぁっ?!」
街を吹き飛ばし焦土と化す閃光に、ヒュドラが呑み込まれ消失していく。敵ながらその最後に憐れみを感じ、颯人はヒュドラが居た場所から目を背けた。
その光景に、離れた所で透と戦っていたメデューサは舌打ちする。
「チッ!? フィーネめ、我らを捨て石にするつもりか!?」
フィーネが街とヒュドラを消し飛ばす光景は当然奏達にも見えていた。
「フィーネの奴、何てことしやがる!?」
「街だけでなく、共闘関係にあったヒュドラまで……」
思わず慄く装者達を前に、蛇の頭部の聖堂の様な部位に鎮座するかのように同化したフィーネが装いも新たにして姿を現した。
『もう魔法使いの協力など必要ない。皆逆さ鱗に触れたのだ……相応の覚悟は出来ておろうな?』
胸にソロモンの杖の意匠、右手にデュランダルを携えたフィーネを前に身構える装者達。
対して颯人は、相手が居なくなったことで透と合流し2人でメデューサと対峙していた。
「よぉメデューサ。残るはお前だけだぜ?」
颯人に並び、メデューサに向け剣を構える透。だがメデューサはそんな2人を鼻で笑った。
「フン、おめでたい奴らだ。まさかあの程度で我らジェネシスの魔法使いが終わったとでも思っているのか?」
「……どう言う意味だ?」
気になる言い方をしたメデューサに颯人が問い掛ける。メデューサはそれに対し、彼の背後に顎をしゃくる事で答えた。
メデューサの仕草に仮面の奥で眉をピクリと動かす颯人。その直後、背後から感じた殺気に颯人は弾かれたように振り返った。
「んなっ!?」
そこにはボロボロになり、メイジの鎧も破壊されたヒュドラの姿があった。確かに消し飛んだ筈の彼が、どう考えても戦えない状態になっているとは言え生きていたことに流石の彼も驚きを隠せない。
だが本当に彼が驚くのはこの後であった。
突然ヒュドラは苦しみ始め、その体には見覚えのある罅割れが走り始めたのだ。
「うぐぉ、ああぁぁぁぁぁぁぁっ!?」
「ありゃ、まさか!? おいメデューサ! あれは!?」
颯人の問い掛けにメデューサは笑うだけで何も答えない。その間にもヒュドラの体の罅割れは増していき──────
「がぁぁぁぁぁぁぁ
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