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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
無印編
第64話:解き放たれる姿
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口笛を吹く。
一方、その光景を見てメデューサは目を見開いた。
「何ッ!? 何故、奴があの指輪を!?」
2人の会話は彼女らにも届いていた。颯人は何処からか、スペシャル・ウィザードリングをもう一つ手に入れていたという事も聞こえていた。
それは何処からか? 少し考えてメデューサは察しがついた。
「あの時か────!?」
先程、アビスで颯人と戦った時。メデューサは颯人のマジックの手品で一瞬視界を塞がれ、その隙に攻撃を喰らってしまった。
あの一瞬で、颯人はメデューサからあの指輪を掠め取っていたのだ。
「なんつー手癖の悪い野郎だ」
まんまと切り札の指輪を盗まれたメデューサを小馬鹿にするより、颯人の抜け目のなさにヒュドラは呆れた。
大方、颯人は石化の魔法だけは絶対に喰らわないようにと一瞬の隙を見てメデューサからあの指輪を盗んでいたのだろう。他の魔法なら生き残る可能性はあっても、あの魔法だけは少しも喰らいたく無い様だ。
ともあれ、これで戦いに赴く用意は出来た。颯人達は新たな力を手にし、フィーネとジェネシスに対峙する。
「さて、最終ラウンドだ。クライマックスはこれからだぜ?」
敢えてフィーネ達を挑発する颯人。その強気な姿勢は同時に奏達を奮い立たせる意味もあった。
その挑発を受けてか、今まで瓦礫に腰掛けていたワイズマンが立ち上がった。地上の颯人達と空中の奏達がそれを見て身構え──────
「……まるでB級のメロドラマの様な陳腐な展開だな」
「あ?」
「もういい、飽きた。帰る。メデューサ、ヒュドラ、後は任せる」
〈テレポート、ナーウ〉
心底興味を失ったように告げ、踵を返すと魔法でその場から消えた。突然の行動にメデューサ達だけでなく、颯人達も唖然となる。
その中で一番焦ったのは言うまでも無くメデューサだ。ワイズマンに心酔していると言ってもいい彼女は、ワイズマンに見捨てられたかと焦りを露にしていた。
「み、ミスター・ワイズマン!? 何故!?」
「焦んなよ、メデューサ。要はあいつら何とかすりゃ良いだけだ。違うか?」
「怖気づいた奈良失せろ、魔法使い。あの程度、どうとでもできる!」
言うが早いか、フィーネはソロモンの杖を掲げノイズを召喚した。
ただノイズを召喚しただけならいいのだが、問題はその数だ。正に街を埋め尽くすという表現が最も相応しいレベルの数のノイズを召喚し、その大群を颯人達に嗾けたのである。
しかし、今の颯人達はその程度で臆する様な事は無い。
「相変わらず、と言うかふざけすぎなレベルの数を呼びやがったな。まぁいいさ。奏! 上は任せた!」
「任せな! 翼、響、クリス! 行くぞ!!」
「承知!」
「はい!」
「言われるま
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