さっきまで人間だったもの
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「ごめん! 急いでいるんだ!」
『フレイム シューティングストライク』
炎の銃弾を、スク水少女の足元へ発射する。気温、水という条件も合わさって、魔法の炎は水蒸気となり、新しいサーヴァントの周囲を白く包んでいく。
彼女の影が右往左往している素振りのうちに、ウィザードはマシンウィンガーを見滝原中央病院へ走らせる。
霧が晴れたころには、すでにウィザードは、彼女から遠く離れていた。
「あーあー。折角の獲物だったのに」
影から、スク水サーヴァントにそう声をかけたのは、彼女のマスターだった。
「つーか、アレ何だよ?」
傘を差しながら、マスターは口を尖らせた。お姫様みたいな綺麗な表情の彼女だが、期限が悪くなると継母のように醜くなる。
「サーヴァントって言ってたってことは、アイツも聖杯戦争の参加者だろ? だったら、この騒ぎでも戦えっつーのに」
彼女は頭を掻いた。不機嫌そうに電柱を蹴り、
「まあいっか。オラ、復讐者。さっさと狩り続けんぞ」
彼女は今までと打って変わって、眩い笑顔でスク水少女へ言った。
「さっさと社会貢献すれば、ウチの株も上がって、あきらっきー!」
傘を放り投げ、マスター、蒼井晶は雨空を仰いだ。
ようやく見滝原中央病院が見えてきた。
ウィザードは、アクセルをもう一度強くする。
だが、もうすぐで入口に差し掛かるその時、視界に黒い弾丸が現れた。
「え?」
それはまっすぐウィザードの体を目指している。ハンドルを切ったウィザードだったが、間に合わず、右腕が弾丸の餌食になってしまった。
「ぐあっ!」
マシンウィンガーから転げ落ち、変身解除。アスファルトにたまった水たまりに顔を打ち付けながら、ハルトは着地した弾丸を見上げる。
「あれって……ウニ?」
黒い針だらけの体、複雑に絡まった大きな歯。まさに人型のウニとしか言えないものだが、あれもアマゾンなのだろうか。
「種類豊富すぎだろアマゾン……」
毒づいているうちに、ウニアマゾンは再び体を丸め、高速回転。再びミサイルのように飛んでくる。
ハルトはソードガンでそれを受け流すが、変身する隙がない。
一方、ウニアマゾンは着地すればすぐに弾丸となるため、いくらでも攻撃ができる。
ハルトは打ち落とすことを諦め、まっすぐ立った。それは当然、アマゾンからすれば格好の獲物。
だが、飛んできたアマゾンに対し、ハルトは、まっすぐにソードガンを突き立てた。
ハルトの柔らかい人肉よりも先に、銀の刃物がウニアマゾンの___しかもそれは丁度頭部___体に突き刺さる。
「うおおおおおおおおおお
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