さっきまで人間だったもの
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『ランド シューティングストライク』
「太阿之剣!」
黄の弾丸と赤の剣が、カマキリのアマゾンに風穴を開けた。力の抜けたアマゾンは、そのまま地に伏し、雨に溶けるように薄まっていった。
「はあ、はあ……」
ウィザードからハルトの姿に戻り、肩で呼吸する。動かなくなったカマキリアマゾンの服に触れる。
「この人……多分、これまでも何度かラビットハウスに来たことあるよね……」
「うん。私も、見覚えある……」
可奈美も頷く。
「私のサンドイッチ、美味しいって言ってくれた人だよ……」
「……」
ハルトは何も言わず、指輪を使う。
『コネクト プリーズ』
出現した、大きな魔法陣。そこから引っ張り出したのは、マシンウィンガー。可奈美にヘルメットを渡しながら、それに跨る。
「行こう。可奈美ちゃん」
「うん……」
可奈美はヘルメットをかぶりながら、ラビットハウスを見返している。ハルトが壊した窓からだと、あれだけいた客の姿が見えない。ココアとチノも避難していることを祈るしかない。
「可奈美ちゃん?」
「大丈夫」
可奈美も、ハルトの背後に付く。彼女の手が自分の腰に回ったと同時に、ハルトはアクセルを入れた。
そして、木組みの町を走り、見滝原西駅に近づいたとき。
「うがあああああああああああああああ!」
人の悲鳴。
道行く人が、傘を取りこぼし、胸を抑えている。
何より、その体には、黒い血管が浮き出ていた。
「ああああああ_________」
やがてそれは、人間から、人喰いの怪物へ。
「また……!」
「ハルトさん! 先行って!」
ハルトの返答も待たず、可奈美はマシンウィンガーから飛び降り、千鳥を抜いた。
「可奈美ちゃん!」
「フラダリさんの暴走が原因なら、誰かが止めないといけない! 私はアマゾンを止めながら行くから!」
そういいながら、可奈美は千鳥を抜刀。クモのアマゾンの心臓部を突き刺した。
ぐったりと力の抜けたアマゾンと、目を強くつぶる可奈美を横目に、ハルトは見滝原中央病院への道を急ぐ。
「っ!」
突如として、ハルトはグリップを強く引いた。マシンウィンガーは大きくカーブし、そのまま止まる。
その原因は、明白だった。モズのようなアマゾンが、上空から狙ってきたのだ。
「また……!」
ハルトの考えを現実だと示すように、モズアマゾンの周囲の電柱には人が串刺しにされている。モズの習性である早贄に、ハルトは歯を食いしばる。
再びハルトをその仲間にしようと、急降下してくるモズアマゾン。ハルトはソードガンで発砲、右肩を狙撃した。
「______」
飛行能力
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