第百八十三話 星の者達の成長その十二
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「生え抜きのスター選手やないとな」
「なれへんな」
「あそこはそうしたチームや」
「封建主義やねんな」
「そやからオーナーもああや」
球界を私物化したまさに北の翔ぐ様の様な人物だった。
「独裁者やねん」
「そうなってるんねんな」
「そうしたチームとちゃうからな」
「しっかりとやな」
「そや、生え抜き関係なくな」
「阪神の選手になってか」
「監督にもなれるんや」
それも可能だというのだ。
「真弓さんもそやしな」
「あの人確か西鉄やったな」
リーが言ってきた。
「太平洋クラブ、クラウンと親会社が代わって」
「西武になって所沢に移る時にや」
「田淵さんと交換トレードで阪神に来たな」
「それで完全に阪神の人になったんや」
真弓が実は元々は西鉄にいたことを知らない人は多いのではないだろうか、共に阪神に入っている若菜もそうだった。
「あの人もな」
「生え抜きやなくてもええか」
「そや」
まさにというのだ。
「阪神はな」
「そうした懐の大きさがあるんやな」
「ええチームやろ」
「そう思うわ」
リーにしてもだ。
「阪神はな」
「そや、それでもな」
「あれやな、ずっとネタであり続けた」
「今の黄金時代に入るまでな」
「二次大戦後ずっとネタ球団やったな」
「一リーグ制の頃はよかった」
その頃はというのだ。
「ほんまにな」
「第一期ダイナマイト打線か」
「知ってるか」
「阪神のことは結構調べた」
リーは中里に述べた。
「その創設からな」
「そうなんか」
「一リーグ制それも戦前の阪神もな」
「本格的やな」
「景浦さんの頃からな」
あぶさんのモデルの一人になった人物と言われている、その名前から察するにおそらく間違いではないだろう。
「学んだ」
「それであの頃の阪神も知ってるか」
「そや」
リーははっきりとした口調で答えた。
「僕もな」
「わしもや」
メルヴィルも笑って言ってきた。
「あの頃の阪神もええな」
「そやろ、あの頃はほんまに強かった」
「そのダイナマイト打線でな」
「あの頃の日本は碌に食べもんもなかったけどな」
中里はメルヴィルに笑って話した。
「球場も野球道具も粗末でな」
「今の日本やと草野球よりもやな」
「ほんま酷いとこで野球してたけどな」
「その中でもよお打ったんやな」
「錚々たる顔触れが揃っててな」
その中心はミスタータイガース藤村と球界の紳士別当だった、この二人がクリーンアップを打っていたのだ。
「そしてな」
「打って打ってやな」
「打ちまくってたんや」
「その頃はよかったんやな」
「それがニリーグ制になって」
その時に多くの主力選手が毎日今のロッテのルーツの一つであるこのチームに引き抜かれてか
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