第百八十三話 星の者達の成長その十一
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「それも永遠のな」
「その巨人に優勝を奪われたので」
「ほんまあかんかった」
「まことにですね」
「けど実績を見るとな」
「阪神随一の名将ですね」
「あの人理論派でな」
岡田という人間は実はそうなのだ。
「ええ選手見抜いて育成してな」
「采配も安定していますね」
「どんでんっていう仇名がお笑いやけどな」
それでもというのだ。
「チームの状況把握して戦う人や」
「そうですね」
「というか何でどんでんやねん」
トウェインは中里に首を捻って問うた。
「変な仇名やな」
「現役時代うどんのおつゆの素のCMに出てたんや」
「そっからか」
「それがどんでんやってな」
それでとだ、中里はトウェインに答えた。
「そこからの仇名や」
「そやってんな」
「現役時代スター選手でな」
「CMにも出ててんな」
「そやったからな」
それでというのだ。
「うどんのそれにも出てたんや」
「成程な」
「何やっていう仇名やけどな」
メルヴィルはどうかという顔でその仇名について述べた。
「元はCMやってんな」
「ああ、おもろい話やろ」
「阪神ならではって感じがするな」
「元々関西の人やったな」
施は岡田の出身地の話をした。
「大学はあっちらしいけれどな」
「大阪の玉造出身やで」
「ガチの大阪人やな」
「高校までそうで甲子園にも出てな」
この時ポジションは色々だった、セカンドで有名であるが外野も守ったりしていた。
「それで大学だけ東京でな」
「殆ど関西やな」
「そやったんや」
「それで子供の頃から阪神ファンやったんやろ」
「それで阪神からドラフトで指名受けてな」
それも一位指名であった。
「入団してや」
「あそこまでなったんやな」
「監督までな」
「何か生粋の阪神人って感じする人やな」
羅はしみじみとした口調で言った。
「あの人は」
「そやろ、阪神に入ったらその人は一瞬で阪神の人になるけどな」
「その中でも特にな」
「まさに阪神の申し子みたいな人や」
「そう言うてええな」
「ああ、ただ阪神はほんまにな」
「入ったらな」
羅は中里のその言葉に笑顔で応えた。
「一瞬でやな」
「阪神の人になるんや」
「それが阪神やな」
「巨人はちゃう」
この忌まわしいチームはというのだ。
「生え抜きでないとな」
「巨人の選手ちゃうな」
「そやから監督もな」
巨人には絶対の不文律があるのだ、それこそ北朝鮮が金一族から国家元首が出ないことと同じである。
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