第六幕その六
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「そうする様にします」
「努力してね」
「そのうえで」
「そういうことでね」
「食べ終わったらだけれど」
グリンダが言ってきました。
「またね」
「出発ですね」
「ええ、そしてね」
「そして?」
「そこからも楽しい旅をするわよ」
こう言ってでした、グリンダは食事の後で皆を某県の旅に戻しました。皆そうしてさらに進んでいきますと。
目の前にゴブリンの一団がいました、見れば困っている感じです。それでグリンダがどしたものかという顔で彼等に尋ねました。
「どうしたのかしら」
「あっ、グリンダ様」
「どうしてこちらに」
「今は黄金の羊を探しに出ているの」
グリンダはカドリングの赤い服を着ているゴブリン達に答えました。
「レッド牧場から逃げたね」
「ああ、あそこからですか」
「あそこから逃げたんですか」
「その羊を探してですか」
「今は皆と一緒に旅をしているのよ」
こうゴブリン達にお話しました。
「そうしているの」
「そうだったんですね」
「どうしてここにと思いましたが」
「そういうことでしたか」
「ええ、それで貴方達はどうしたのかしら」
ゴブリン達にあらためて尋ねました。
「ここにいるのかしら」
「はい、実はです」
「私達はここで道の修理をしていたんですが」
「ああ、そういえばさっき通った時は壊れている部分があったね」
木挽きの馬がここで言いました。
「そうだったね」
「それで今道をなおしていたんだ」
「それが終わったんだけれど」
「それでもね」
ゴブリン達は道の傍のお池を見て言うのでした。
「ここにツルハシを一つ落としちゃってね」
「わし等皆泳げなくて」
「ツルハシをどうして取ろうか」
「それで困っていたんだ」
「そういうことだったんだ」
木挽きの馬もそう聞いて納得しました。
「そういえば一人ツルハシを持っていないね」
「わしが落としてしまったんだ」
ツルハシを持っていないゴブリンが言ってきました。
「これがね」
「そうだったんだ、じゃあね」
「じゃあ?」
「僕が今から取って来るよ」
お池に落ちたツルハシをというのです。
「今からね」
「いいのかい?」
「いいよ、僕はお水の中でも平気で進めるからね」
それでというのです。
「構うことはによ」
「そうなんだね」
「僕の身体は木でしかも加工されているからね」
「濡れてもいいんだね」
「濡れてもすぐに乾くから」
だからだというのです。
「問題ないよ」
「だからなんだ」
「僕が行くよ」
「そうしていいんだね」
「他の皆は泳げるけれど」
木挽きの馬は皆を見てツルハシを落としてしまったゴブリンに言いました。
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