第六幕その二
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「食べる必要も飲む必要もなくて」
「休むこともよね」
「一切必要ないから」
それでというのです。
「本当にね」
「最高なのね」
「これ以上はないまでにね」
まさにというのです。
「そう思っているわ」
「そういうことね」
「ええ、私はこれ以上はないまでに自由で幸せ者よ」
「幸せ者はオズの国の誰でもだね」
モジャボロの弟さんは右手にハンバーガーを持っています、それを食べながらそのうえで言ってきました。
「それは」
「この国は幸せに満ちている国だからね」
木挽きの馬も言います。
「だからね」
「うん、誰もがそう思うね」
「自分が幸せだってね」
「それも一番ね」
「そうなの、けれどいいわ」
これがガラスの猫の返事でした。
「私が自分でそう思っているならね」
「他の人がどう思っていてもなんだ」
「いいわ、私が満足しているのなら」
ガラスの猫は木挽きの馬にも言いました。
「それならよ」
「他の人が最高と思ってもだね」
「いいわ、というかね」
「というか?」
「自分が満足しているなら」
それならというのです。
「別にね」
「いいんだね」
「そう、いいのよ」
それならというのです。
「私はね」
「僕も自分が最高に幸せと思っているよ」
「そうなのね」
「馬は足が速くて賢くて優しい生きものでね」
それでというのです。
「しかも君と同じくね」
「食べることも寝ることもないっていうのね」
「飲むこともね」
まさに一切というのです。
「必要がないからね」
「余計にっていうのね」
「最高に幸せで」
それでというのです。
「満足しているよ」
「それならそれでいいでしょ、私が言うことじゃないわ」
「特にだね」
「ええ、あんたのことだから」
「君は言わないんだね」
「そうよ、別にね」
「成程ね」
「まあここにいる皆もね」
木挽きの馬以外の面々もというのです。
「本当にね」
「幸せだって思っているね」
「最高にね、そう思っているのならね」
「いいんだ」
「そうよ、私は他の人が幸せでもね」
「特に思わないんだね」
「というか思うことがあるのか」
そもそもという口調の言葉でした。
「あるのかね」
「不思議なんだね」
「私にとってはね、要は自分がどうかでしょ」
このことがというのです。
「そうでしょ」
「その通りだと思うよ」
「だったらね」
「君は言わなくて」
「自分で楽しんでいくわ」
「自由にだね」
「幸せにね、それはそうと」
ここで、でした。ガラスの猫は。
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