第六幕その一
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第六幕 見えない熊
一行は今は仲良くお昼ご飯を食べていました、メニューはハンバーガーにフライドチキン、フライドポテトにコーラです。そうしたものを食べてです。
グリンダはにこにことしてこう言いました。
「やっぱりこうしたものはお外で食べるといいわね」
「お家の中で食べるのもいいですが」
「お外で食べるとね」
恵梨香に笑顔で言います。
「そうしたらね」
「尚更ですね」
「美味しく感じるわ、宮殿の中で食べると」
ハンバーガー等をというのです。
「お外の解放感がないわね」
「どうしても」
「お庭で食べてもいいけれど」
「それでもですか」
「旅には旅のね」
「爽快感がああってですね」
「それでね」
その為にというのです。
「凄くね」
「いいんですね」
「そう、それとね」
さらに言うグリンダでした。
「ハンバーガーといえば飲みものは」
「コーラですか」
「やっぱりこれね」
「この組み合わせを旅の時に食べると」
「最高よ、宮殿にいると」
どうしてもというのです。
「ハンバーガーを食べてもね」
「自由さがないですか」
「折角自由を感じさせてくれる食べものなのに」
それでもというのです。
「そこが残念だわ」
「ううん、グリンダさんといいますと」
恵梨香はフライドチキンを食べつつ言いました。
「普段は宮殿におられて」
「真面目にしている、かしら」
「そんなイメージがありました」
「普段はそうでもね」
「時にはですか」
「こうして旅に出て」
そしてというのです。
「自由に過ごしたいのよ」
「そうなるんですね」
「だから今はね」
「凄く楽しいですか」
「そうなの」
「私は何処でも私だけれどね」
ガラスの猫は身体を舐め回して奇麗にさせつつ言いました。
「グリンダは違うのね」
「貴女は何処でも振る舞いたいまま振る舞うわね」
「それが猫でしょ」
「ええ、そうよ」
「だからね」
猫だからだというのです。
「私はいつも自由なのよ。不自由って感じたらね」
「その場を去るわね」
「そしてね」
そのうえでというのです。
「別の場所でね」
「自由に過ごすわね」
「そうするわ、気の赴くままに動くのがね」
それがというのです。
「猫なのよ」
「確かにそうね」
「猫程いい生きものはいないわよ」
ガラスの猫はこうも言いました。
「どんなところにも行けてね」
「自由に動けるのね」
「ええ、だからね」
「猫程いい生きものはいないのね」
「確信を持って言うわ」
このことをというのです。
「私はね」
「そういうことね」
「そうよ、しかも私はガラスの身体だから」
只の猫ではなく、です。
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