特別編 せイーッ!なる夜のプレゼント
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いる。
レオタード姿の薄着の女性を凝視する男達。……完全にアウトな光景だ。党幹部を護る護衛がこんなのではこの世界の将来が思いやられる。
「……まだやってるよ。そろそろ終わらせないと」
僕は彼女にハンドシグナルを送り、任務完了を知らせる。
すると彼女は男達の催眠を解いた。完全に催眠が解けているわけではないのか男達は頭を押さえて、ふらついた様子を見せていた。
「今です。逃げましょう!」
「そうだな!何とか間に合ってよかったな」
急いでバンに乗り込み、エンジンを蒸す。すると助手席から声がかかった。
「……先輩」
「ん?どうした?」
僕はアクセルペダルを踏みながら彼女の方をチラッと見た。
彼女はどこか恥ずかしいような、緊張したような面持ちだった。
「お疲れ様です。メリークリスマス!!」
「……ああ、メリークリスマス!!」
山道に駆けるバンのエンジン音と「ハハハ」という若い男女の笑い声が響いた。
――――――――――――――――――――――――――――――――――
数十秒後………。
「ハッ!あの不審者達は!?どこに行った?」
「探せ!探せー!!」
ようやく女戦闘員の催眠から覚めた黒服達は慌ただしく動き出す。
そんな中、門の前に高級車が停まる。運転手はこの屋敷の持ち主の党幹部だ。男は車から降りると慌ただしい雰囲気を感じ取り、辺りを見回す。
家主の突然の帰宅に黒服達は不審者の捜索を中断し、ビシッと横一列に並んで整列する。
……有名な話だが党幹部であるこの男は元々、戦闘員だった。
ショッカーによる世界統一前に起きた本郷猛討伐作戦で武功を上げ、その功績のおかげで党幹部にまで昇りつめたのだという。あの英雄であるショッカーライダー7も党大会の場で『アイツがいなければ本郷猛を倒すことはできなかった』と口を漏らしたほどだ。
とにかく、党幹部の方の前で粗相を見せる訳にはいかず、黒服達は頭を下げる。
「お帰りなさいませ!お早いご帰宅で!」
「あ、ああ……会議が早く終わってな。それよりもどうしたんだ、何の騒ぎだ?」
「ハッ!屋敷の近くで不審者2名を見つけました。逃げられてしまいましたが現在、その2名を捜索中です。屋敷の中に入られた形跡はないようです」
「そうか、被害がないならよかったが…」
男は再び、車に乗り込むと『千堂』と書かれた表札のついた門を潜った。
玄関に着いて車を降りるとどこからともなく彼の息子が駆け寄る。
両手には先程のプレゼント箱が抱えられていた。
「お父さーん、サンタさんからプレゼンが来たの!」
「そうかそう
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