特別編 せイーッ!なる夜のプレゼント
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車窓から見えるイルミネーションが今日という日がクリスマス・イブであることを強く意識させた。僕は田舎育ちだが都会のこういう景色も中々、イーッ!と思う。
ここまでくれば気づいた人も多いだろうけど、僕は戦闘員だ。
戦闘員の仕事は戦闘・暗殺など様々だ。征服前はこの中に改造素体の拉致が含まれていたがそれももう過去の話。今は拉致などしなくても合法的に"徴用"することができるのだ。
その代わりと言うべきか、征服後に新たに加わった仕事が『広報』である。
党大会やショーなどのイベントに出向き、ショッカーの栄光や偉大さを人々の目に触れさせる。それが仕事内容だ。
征服直後、ショッカーに対する理解を深めさせる目的で作られたそれは様々な場で大成功を収め、現在に至っている。
「先輩も緊張するんですね、私なんか緊張し過ぎで震えてますよ」
隣の座席に座り、そう言う彼女は女戦闘員だ。女戦闘員というとフェイスペイントに黒いレオタードという妖艶なイメージだが、今回は普通のサンタ服に、よくある白いボンボンの着いた帽子を被っている。うん、これはこれで可愛い。
そう言う僕も私服の上に申し訳程度にサンタ帽を被っている。
僕は征服前からショッカーに在席するベテラン(自称)。対する彼女は戦闘員研修を終えたばかりの新米。彼女からすればこれが戦闘員としての初陣であるため、落ち着かない様子だった。
今日は先輩としての威厳を見せるチャンスである。
「私達、A班はここ、○○地区を任されています。頑張って配りましょう!」
ああ、なんて初々しいんだろう。
まずは1軒目。玄関先にバンを停めるとインターホンを押す。母親が出てきたので事情を話し、子供を呼んでもらう。来たのは幼い女の子だった。恥ずかしがり屋なのか母親の背中に隠れていた。
警戒を解くべく女戦闘員の彼女が腰を屈める。そして女の子に対して微笑みかけるとプレゼント箱を手渡した。
すると女の子の表情は明るくなるとやっとこちらに出てきた。
「わぁー!お姉さん、ありがとう!」
「フフ、どういたしまして」
そう言うと女の子に手を振り、次の家に向かった。リストによると次の家の子供は男の子らしい。
玄関先につくと、先程と同じようにインターホンを鳴らして、子供を呼ぶ。男の子が出てきたところで彼女が袋からプレゼント箱を手渡すと男の子はその場でラッピングを剥ぎ、中身を取り出した。
「あー!これ、僕が欲しかったおもちゃだー!何で分かったのー?」
「それはね、偉大な大首領様が何でも知っているからだよ〜」
プレゼントを貰ってはしゃぐ男の子に彼女は優しく微笑んでそう答えるが『大首領様は何でも知っている』。それ
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