第二章
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「警察がその場で家宅捜査も出来ますし」
「ここは警察の方がですか」
「いいでしょうね、ですから」
「わかりました」
光彦は獣医の言葉に頷いた、そして今度は警察に事情を話してだった。
警察を通じて元の飼い主から犬を引き取ることにした、そして警察が彼の家に行くと暴れて警官を殴り暴行と障害そして公務執行妨害の現行犯となり。
そのうえで家宅捜査を行うと大量の覚醒剤が発見された、売っていただけでなく彼自身も使用していたことが明らかになり。
刑務所に行くことになった、これでこの男のことはとりあえず終わったが。
光彦はその犬を自分のアパートに引き取った、だがそれでもだった。
ソラは彼に近付こうとしない、いつも怯えて部屋の隅にいる。彼はそのソラを見て家によく来る甥に話した。
「いつもこうなんだよ」
「お部屋の端にいて」
「それで出てこないんだ、ご飯は食べてトイレはするけれど」
それでもとだ、光彦は甥にその部屋の隅にいるソラを見つつ話した。
「僕のいない時、仕事中とかで」
「お散歩は?」
「全然しないんだ」
これもというのだ。
「何しろいつも隅にいて僕が近寄ると凄く泣くから」
「今も隅っこで震えているしね」
「クゥ〜〜〜〜ン・・・・・・」
甥もそのソラを見て言った、自分達を見て怯えた目で見て震えている彼を。
「こんなのだとね」
「前の飼い主にいつも酷い目に遭わされていて」
「こうなったんだね」
「人間も動物も同じだよ」
「酷い目に遭うとなんだ」
「いつもこうして怯える様になって」
そうしてというのだ。
「人とも交わらないんだ」
「そうなるんだね」
「うん、どうしたものかな」
難しい顔でだ、光彦は言った。
「これは」
「ご飯食べておトイレはしてるんだよね」
「それはちゃんとね」
「そうなんだ」
「けれどうちに来てずっとこうだから」
「それでなんだ」
「困ってるよ、けれど獣医さんとお話して」
光彦は甥に顔を向けて話した。
「徐々にね」
「やっていっているんだ」
「そう、そして」
それでというのだ。
「何時かソラもね」
「叔父さんとなんだ」
「一緒に散歩とか出来て仲良くなれたら」
そうなればとだ、光彦は辰也に話した。
「いいと思っているよ」
「そうなるかな」
「わからないけれど努力していくよ」
そのソラを見ながら甥に話した、ソラは今も部屋の隅に隠れる様にしていて怯えて震えているがその犬を見ながらだった。
光彦は獣医と話しながらソラにご飯をあげてトイレの処理をしていつも優しい声をかけて笑顔もそうした。
そうしていると徐々にだった。
ソラは怯えなくなり隅か出て光彦に近寄る様になった、そして。
散歩も出来る様になった、それで彼を病院の診察に
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