第一章
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乱暴な飼い主のハッピーエンド
この時前田光彦は兄の息子つまり甥の辰也と一緒に街を歩いていた、コンビニに一緒に行った帰りだったが。
そこでだ、甥にこう言われた。
「叔父さん、あそこに」
「!?何だあれは」
叔父は甥の指差した先を見た、何と。
そこに一匹の犬がいた、白いポメラニアンだが。
口にガムテープを貼られリードは電柱に巻かれていた、そこで苦しそうにもがんでいた。それを見てだった。
光彦はその温和な顔を驚かせて元気のいい顔の甥に言った。
「これは駄目だ」
「うん、早く助けないとね」
「犬は舌で体温を調整しているんだ」
口から舌を出してである。
「だから舌を出せないと大変なことになる」
「どうなるの?」
「熱中症になるんだ、それに息も出来ない」
このこともあるというのだ。
「だからすぐに助けないと駄目だ」
「うん、そうしよう」
甥も頷いた、そしてだった。
二人ですぐに犬を助け出した、そのガムテープを毛に逆立たない様に取って。
それからリードを外して病院に連れて行って診てもらった、獣医はその話を聞いて呆れて光彦達に言った。
「それは大変でしたね」
「ええ、それでこの子は」
「大丈夫です、ただこの子は飼い犬ですね」
獣医は犬に首輪があるのを見て言った。
「それで名前はソラで」
「そう書いてますね」
「飼い主は」
「えっ、清波羅!?」
その名前を首輪に見て光彦はすぐに眉を顰めさせて言った。
「あの」
「そうですね、あの清波羅義久さんですね」
「街で有名なゴロツキじゃないですか」
こう言うのだった。
「何でも麻薬の密売人をやっているっていう」
「あの人ですね」
「あいつに飼われていたんですか」
「おそらくこんなことをしたのも」
獣医は光彦に曇った顔で話した。
「あの人ですね」
「絶対にそうですね」
「よく暴力沙汰も起こしている人ですが」
「飼い犬にもですか」
「その様ですね」
「とんでもない奴ですね」
「全くですね、ただこの子をあの人に返しても」
それでもとだ、獣医は難しい顔で話した。
「また同じ様にです」
「虐待しますね」
「間違いないです、非常に問題の多い人ですから」
「どうしましょう」
「道に縛って放置していたんですね」
「はい、口にガムテープを巻いて」
光彦は獣医に答えた。
「お話した通り」
「もうそれは立派な虐待ですから」
「飼えないですね」
「あとは弁護士の人か警察を通じて」
「警察の方がいいでしょうか」
「でしょうね、もう常に暴力沙汰を起こしている人ですから」
そうした輩だからだというのだ。
「貴方が直接行かれても」
「何をされるかわからないですか」
「弁護
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