111 本拠地にて
[1/3]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
静岡県・清水市内にある藤木夫妻は共働きであった。二人共、家で待っている息子の為に早めに帰って皆で楽しくクリスマス・イブを楽しもうとしていた。だが、二人がそれぞれの職場から帰ってくると・・・。
「あれ、茂がいないわ」
「一体どこで何をしているんだ?」
夫妻は息子の友達の家へ電話を掛けた。だが、どのクラスメイトの家にも息子が遊びに行ったという情報はなく、いつまでも息子が帰ってくる気配もない為、不安になった二人は警察へ捜索願を提出する事になった。
かよ子は自身の失態が隣の家のおばさんの娘が襲われる事に繋がった事で罪悪感を感じていた。そんな中、かよ子は好きな男子の顔が頭に浮かんだ。その男子は親友と運動会の時、一時喧嘩したが、合唱コンクールを機にやっと仲直りできた。なのに、元の日常を修復する事はできるのか。
(杉山君・・・。私、どうすればいいの・・・?)
とある世界。ここは抗争など争い、いわば「戦争」を正義とする世界である。レーニンは漢服を来た女性を呼んでいた。
「妲己よ。あんな冴えるように見えぬ男子を連れて本当に役に立つのかね?」
「ご安心くださいませ。あの坊やは拒否反応を一切していませんわ。この地で楽しくさせています。それにあの坊やは挨拶代わりに『卑怯』と呼ばれているそうで、意外と役に立つかもしれませんよ」
「なら、よかろう・・・」
「他に何か?」
「いや、使えるならそれでよいのだ。帰ってよろしい」
「はい」
妲己は自分が住んでいる所へと帰る。
(あの坊やも不自由なくさせておかないと・・・。それから、あの坊やは確か恋に溺れる者・・・。でも、嘗ての恋人から愛想を尽かされた・・・。さて、嫁はどのような者がお似合いなのかしら・・・)
そして妲己は考える。
(なるべく美しい可憐な者が良かろう・・・。この世の人間か・・・。それともまだ生きている娘をさらうか・・・)
そして平和などを正義とする世界とどう戦うか、考えなければならなかった。連れて来た少年をどう利用すべきか・・・。
赤軍の本部。山田義昭は例の機械を量産する。
「あの機械が壊れる原因としては・・・」
義昭は考える。和光及び彼が東アジア反日武装戦線に渡して杯の所有者を狙おうとした時は、平和の世界から来たという人間の能力であっけなく破壊されてしまった。さらに、名古屋にて護符の所有者から護符を奪い取りに奥平や岡本を派遣させた時も同様に破壊された。
(奴等の能力で壊れるのなら、どのような対策が必要なのか・・・)
義昭にはその答えが出なかった。
「義昭」
「ふ、房子総長!!」
義昭は房子がいきなり現れた事に驚いた。
「機械の破壊の理由が分かっても対策がでなければ仕方ないわよね」
「はい、そうなんです・・・」
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ