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『外伝:赤』崩壊した世界で大剣豪とイチャコラしながら旅をする
目的-やりたいこと-
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何故それをやろうと思ったのかといえばそれは
"やりがい"を感じたから。
物資を届けた際、この村の人達は皆喜んでいた。
余程不自由な生活を強いられていたんだから無理もない。
満足にモノも食べられず、そして夜はいつ来るか分からないモンスターの襲撃に怯えながら過ごさなきゃいけない。

彼らの笑顔は、俺の心にかなりの印象とやりがいを残したんだ。
まだサラリーマンだった時に感じられなかった"何か"
干からびた心に水が満たされていくような清々しさ。
久しぶりだった。
誰かのために生きてるって実感したことは。

「それが…大和くんのやりたいことなのね。」
「ああ、夢なんて大層なものじゃない。けど俺は誰かのためにモノを届けたいって思えた。これを通して、自分が心の底から"やりたいこと"を見つけられたんだ。」

難しい顔をして腕を組む武蔵ちゃん。
少し考えると、彼女は口を開いた。

「やりたいことなら…私も否定はしない。目的のない旅よりかはいいかもだし。」
「この世界で誰かのための架け橋になる。それが目的。それに、修行とも両立してやっていくよ。」

俺だけじゃどれだけの人が救えるか分からない。
でも、出来る限りの人達を救っていきたい。
偽善かもしれないし、自己満足かもしれない。
けど、
それがやりたいことなんだ。
武蔵ちゃんも否定的なことは一切言わず、賛成してくれた。

「ところで大和くん。」
「…?」
「ベッドの事なのだけれど…。」
「あ、ベッド。」

貸してもらった部屋。
しかしベッドは1つのみ。
残念ながら二つ用意することは出来なかったようで、俺は渚ちゃんから毛布と枕をもらっていた。

「その…よかったら…」
「いや、いいよ。負けたのは俺だし、ここは素直にひくよ。」
「いや…そうじゃなく…」

勝負に負ければ床で寝る。
さっきの夕飯だって半分差し出したし、ここで変にあれこれ言う訳にもいかない。
素直にひき、俺はそそくさと床に寝転がった。

「そうじゃなくって?」
「あ、あーいや…あのね…辛くない?」

確かに硬い床で寝るのは背中が少し痛い。
けど、負けは負けだ。

「これくらいなんてことないさ。けど、次は勝ってみせるよ。」
「あ、あー…うん。」

幸い、戦いもあってか俺は横になるなりすぐに眠れた。
なーに大丈夫大丈夫。社畜生活のおかげでどこでも寝られるようになったからさ。

「一緒に寝ようって言うのは…いきなりレベルが高過ぎたか…何回もイメトレはしてみたけど…これに関してはいざとなるとてんでダメだな、私。」

寝かけた時、武蔵ちゃんが何か言っていたような気もしたけど寝言だろう。



?

「行ってしまうんですね。もしあなた方が良ければここ
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