第三章
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「本当に助かったわ」
「あの人皆から嫌われていてな」
「本当にクレーマーだからね」
「それも上にモンスターがつく位にな」
「そんな人を追っ払っただけでなくて」
「思いきり恥をかかせてな」
「それを周りにも見せて」
小学生や女子高生達にもだ。
「これ以上はないまでに恥をかかせて」
「もうそれじゃあご近所にいられなくなるな」
「絶対にね」
二人でこう話した、まだそこまで至っていなかったが。
「そうなるわ」
「ご近所の嫌われ者も排除してくれるなんてな」
「ナポレオンも半蔵もね」
「よくやってくれたな」
「ええ、二匹共うちに来たのはね」
「どっちも保護犬でな」
「ひょんな成り行きだったけれど」
夫婦で犬を飼いたいと話したがペットショップでは高くしかもその業界の闇の部分を色々と聞いて保護犬を引き取ろうとなったのだ。
そしてそこでナポレオンも半蔵も引き取ったが。
「二匹共いい子でね」
「普段は大人しくてな」
「いざって時は動いてくれるから」
「本当にね」
それこそというのだ。
「よかったわ」
「そうだよな」
「二匹共前の飼い主さんが身体壊してね」
「それで保護犬になったけれどな」
「飼えなくなってね」
「飼えなくなったら」
その時はとだ、夫は言った。
「里親募集すればいいのよ」
「そうしたボランティアの人達に預けてな」
「ええ、そしてね」
「新しい飼い主に引き取ってもらうべきだな」
「無責任に捨てたり保健所に放り込んだり」
「そんなことする飼い主もいるけれどな」
「命だから」
人間と同じだからというのだ、それがあるという点では。
「大切にしないとな」
「そうだな」
「そして元の飼い主さんからお願いしますという気持ちを受け取って」
そしてというのだ。
「あの子達を引き取ってね」
「一緒に暮らしているとな」
「普段はその姿見て幸せな気持ちになれて」
「いざという時は守ってくれる」
「そうなるわね」
「ああ、そう思うとな」
「犬と一緒にいられるのなら素晴らしいな」
そうした家庭になるとだ、夫は言った。
「本当にな」
「そうよね、じゃあね」
「ああ、これからもな」
「五匹仲良くね」
「一緒に暮らしていこうな」
「そうしていきましょう」
妻は夫の言葉に笑顔で応えた、そしてだった。
夫と共に子供を連れて犬達の散歩に出た、夫が犬達を持って妻が子供を抱いている。その家族全員での散歩の時は。
「ワンッ」
「ワンワンッ」
ナポレオンも半蔵も自分達の弟と両親を見て上機嫌だった、そうして幸せそうに散歩を心から楽しんだ。夫婦はその二匹を見て彼等と同じ気持ちになった。
二匹の愛犬 完
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