暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
最終章:無限の可能性
第271話「帰る場所を守るため」
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いた。
 最早過程を飛ばしたかのような肉薄で、神も僅かに顔を強張らせる。

「ぁあああああっ!!」

 そのままの勢いで、優香はデバイスを振るう。
 杖としてだけでなく、棍としても扱えるため、近接戦も可能だ。
 だが、魔力が籠っていなければ、大した威力ではない。

「くっ……!」

 しかし、それでも優香の攻撃は理力の障壁を揺らした。
 “意志”によって、そこまで威力が昇華されていたのだ。

「はぁああああっ!!」

「せぇやぁああああっ!!」

 続くように、シュテルが杖で突貫し、レヴィが斧で斬りかかる。
 “天使”に阻まれはしたものの、これで一つ目の目的は達成した。

「私達の絆を……人の想いを、知りなさい……!!」

 そういって、優香は胸の前で手を組む。
 想うのは、神界の入り口にいる光輝の事。
 家族として、妻としての愛。それが一つの事象へと代わる。

「―――は?」

 思わず、神は間の抜けた声を漏らした。
 人間個人の想いなど、形になるほど強いはずがなかったのだ。
 どうあっても“格”が足りないため、想いそのものは強くでも神界に干渉できない。
 ……そのはずだが、目の前で空間が繋がる。

「光輝!」

「優香!」

 繋がった空間の先では、デバイスを片手に胸に手を当てる光輝の姿があった。
 その背後にはシャマルがおり、明らかに“旅の鏡”と同一の現象が起きていた。

「隙を見せましたね」

「今だー!」

 神の動揺を、シュテルとレヴィは見逃さなかった。
 “意志”で即座に肉薄し、各々の武器を叩きつける。
 そのまま繋げた空間に押しやり……

「はぁあああっ!!」

 ダメ押しに優香が吹き飛ばした。
 障壁でダメージはないとはいえ、それでも体は動く。
 それを利用し、そのまま押し込み切った。

「しまっ……!」

「では、ごきげんよう」

「じゃーねー」

 そのまま優香達も繋げた空間から合流。
 見事に神のみ引き寄せた結果になった。

「……さて、と。よくも散々やってくれたな。うん?」

「遠くからチマチマと……こっちは苛ついてんだ。覚悟出来ているよなぁ?」

 繋げた空間は閉じ、神に対しディアーチェやヴィータが詰め寄る。

「っ……嘗めるな―――」

「ふんッ!!」

 反撃に出ようとする神だが、先にザフィーラの渾身の一撃が叩き込まれた。
 “意志”によって理力の障壁すら貫通し、鳩尾へと命中した。

「がはっ……!?」

「悪いが、魔力を封じたからと言って、簡単に挫けはしない。むしろ……」

「魔力なしで攻撃する分、リンチ染みた絵面になるな……」

 寄ってたかって、物理で殴る。
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