最終章:無限の可能性
第271話「帰る場所を守るため」
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「よかろう」
光輝は簡潔に説明される。
要は、夫婦の絆を利用し、空間を繋げるないしその手助けをすると。
「優香は信じたからこそ行ったんだな?」
「当然だ」
「……なら、俺も信じない訳にはいかないな」
ぐっと自身の剣であるデバイスを握りしめ、光輝は前を見据える。
「とにかく、今は攻撃を凌ぎ続けるだけだ」
「ああ。……さっきまでよりも、圧倒的な速度と頻度でボロボロにされる。防戦に徹しないと、あっという間に“意志”が挫ける」
魔法が使えないため、“意志”以外で身体強化が出来ない。
その上、防御魔法などの障壁も張れないため、結果的に出来る防御は攻撃に備えて踏ん張る事だけなのだ。
そんな肉壁と同義な防御では、当然ダメージが防げるはずもない。
体の丈夫なザフィーラすらとっくにボロボロの体だ。
尤も、ザフィーラの場合は丈夫だからこそ、前に出て盾になっているとも言える。
「身体欠損の回復が間に合わなければ、踏ん張る事すら難しいな……」
「……随分、冷静な判断じゃないかクロノ……。現状って、控え目に言って地獄以上だけど……!」
吹き飛ばされ、何度も立ち上がる。
その度に自分達を奮い立たせるように軽口を叩き合う。
「結界があるからこそ、“負け”はない。……だから、結界の要である四人だけは確実に死守すべきだ。……故に」
「そこまで言わなくったってわかってるよ」
「要は、耐え続ければいいだけの事……!」
決して防ぎきれる訳ではない。そのため、つい先ほどのユーノのように、結界を張った面子も同じように吹き飛ばされている。
それでも、その身を盾にする事で僅かにでもダメージを減らしていた。
「……後は、“その時”が来るのを待つだけだ……!」
「頼んだぞ、優香……!」
後を突貫した三人に託し、クロノ達は立ち上がり続けた。
「ッ………!」
一方、突貫した優香達はただ走り続けていた。
しかし、愚直に走るだけでは辿り着けない。
そのため、敵を見つけるという“意志”の下、走っていた。
「次、来ます!」
「くっ……!」
「っとと……!」
その途中でも、敵の攻撃はやってくる。
むしろ、近づかせないようにより苛烈になっている程だ。
しかし、先ほどまでと違い、自由に避け回る事が出来るため、回避は容易だった。
「(もっと、もっと早く、辿り着く……!!)」
焦りにも近い強い“意志”で、優香は突き進む。
直後、優香は空間を跳んだ。
「ッ……!」
「見えたッ!!」
執念、覚悟、意志。それらが合わさり、優香を“魔力の性質”の神へと導
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