最終章:無限の可能性
第271話「帰る場所を守るため」
[5/9]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
丈夫だ。なんてこと、ない……ッ!」
「ザフィーラ!」
「俺も、平気だ……!」
ここで、クロノやシグナムなどもバインドを破った。
既に満身創痍な二人と入れ替わるように前に出て攻撃を受け止める。
「(ディアーチェ達が張った結界のおかげで、まだ立ち向かえる。だけど、このままだと確実に負ける……!)」
現在は完全に防戦一方だ。
それだけでなく、敵は遠くから攻撃し続けている。
魔力を封じられた今、シャマルの“旅の鏡”で引き寄せる事も出来ない。
完全に、一方的な状態になってしまっていた。
「シャマル、ダメか……!?」
「ダメ……!どうしても、“魔法”として使っちゃう……!」
“意志”のみで魔法を使おうとするが、上手くいかない。
否、簡単なものなら可能なのだが、神を引き寄せる程の効果は発揮できないのだ。
「(どうする……!優位性を捨ててでも、こっちへ引きずり込むか……!?)」
出来るとすれば、仮の“領域”から出て、直接神の所へ向かう事だ。
だが、結局魔法は使えないため、“意志”のみで戦わなければならない。
「(……これが、相性か……)」
クロノは食い縛るように、目の前の現実を見る。
最悪の相性を相手に、自分達は立ち向かわなければならないのだ。
「(逆に考えろ。まだ、“意志”のみで何とかなる)」
魔法は使えない。しかし、“意志”による不死性はそのままだ。
それどころか、仮の“領域”である結界も無事であり、簡単な魔法なら“意志”のみでも発動できる事を確認した。
「出来る事はまだある。諦めるにはあまりにも早すぎる……!」
「……その通りだ。故にレヴィ、落ち着かんか」
「だって〜……!」
魔法が使えず、いつもの速度を出せないレヴィを宥めつつ、ディアーチェはクロノの呟きに不敵な笑みを返す。
「一人の“意志”足りぬのならば、複数の“意志”を使えばよい。我らで張った結界のようにな。……尤も、さすがにこのままここに留まるのも愚策過ぎる」
「でも、だからと言って突貫する訳にもいかない。僕らは、ここを守るためにいるんだから。……皆の、帰る場所を守るために」
突貫するにしても、今いる場所を手薄にする訳にもいかない。
そのため、どうしても戦力を分断する必要がある。
「“意志”……」
「我らは動けん。しかし、誰かが倒しに行くか誘導するかしなければ勝てないのも確かだ。……どうする?と、聞くべきだが……」
結界を張った四人は、“意志”を保つためにも結界から離れられない。
それ以外の面子で、どうにか敵を倒すか連れてくるしかないのだ。
そのための作戦をディアーチェが考えようとして、ふと優香が目に入る。
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ